打ち納めは豪快にバックスクリーンにぶち込んだ。ソフトバンク期待の大砲候補・リチャードが「3月逆襲」に向け気持ちをリセットしたようだ。宮崎キャンプ打ち上げの28日、B組練習となったリチャードはフリー打撃で快音を響かせていた。

リチャード(奥)のロングティーを見守るソフトバンク藤本監督(2021年11月撮影)
リチャード(奥)のロングティーを見守るソフトバンク藤本監督(2021年11月撮影)

「(打撃は)めっちゃ良かったですよ。今日が兆しの日です」。大汗をかきながらアピール不足に終わったキャンプを払拭(ふっしょく)するように言った。「(キャンプは)谷しかなかったんで…。下がるところまで落ちたんで。次は上がっていきます。福岡に帰るので、悪い調子も捨てます」。技術面より練習に取り組むまでの準備不足などを指摘され、自慢の豪快な打撃も影を潜めた。26日のオリックスとのオープン戦では、4番サードで先発出場も2三振。1安打を放ったが、左翼手が目測を誤るラッキー安打。本来の打撃にはほど遠く、27日の社会人との練習マッチも4打数無安打。2三振を喫していた。

昨年のキャンプで王貞治球団会長から指導を受けるリチャード(撮影・梅根麻紀)
昨年のキャンプで王貞治球団会長から指導を受けるリチャード(撮影・梅根麻紀)

月が替わればツキも変わる? 大きな体で肩を落とす姿は似合わない。たった1日でポジティブ思考が復活した。「昨日はラーメンとギョーザを食べたんで切り替えられました。落ち込んでませんよ。考えているだけです」。王球団会長や藤本監督を含め、期待の大きさからいろんなアドバイスを受けた。キャンプ中は頭と体できちんと消化できなかったが、もう考え込んでいる時間はない。「これからは『結果』で、持ち味の長打でアピールしていきたい」と本格的にスタートする2日からのオープン戦で出直しを誓った。

「3月はキバを研ぎます! あ、いや、研ぎながらちょっとずつキバを出していきます」-。

今季40発を約束した王会長が、大砲候補の覚醒を誰よりも期待しているはずだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】