開幕2カードを終えた時点で、巨人投手陣に若き力の風が吹き荒れている。ローテーション6人は過去5年で見ても最も若い平均年齢24・3歳。右肘のトミー・ジョン手術明けの23歳の山崎伊と20歳の堀田に加え、22歳のルーキー赤星と3人がプロ初登板初先発した。開幕6試合目までにプロ初登板の日本人投手3人が先発は、球団史上初めてのことだった。高卒4年目にして3度目の開幕ローテ入りをつかんだ戸郷は21歳にして貫禄が出てきた。

リリーフ陣も刷新された。鍵谷、中川の負傷離脱の影響もあるが、22歳のルーキー守護神・大勢や21歳の直江、戸田のプロ未勝利組がリリーフとして開幕1軍入り。平均年齢は29・4歳から25・9歳と一気に若返った。

原監督は今季開幕前から常に「力が五分ならば若い選手、経験値が少ない選手を使う」と宣言してきた。ただ、世代交代を図っても、結果がついてこなくては意味がない。その点で、開幕2カード終了時点で、若い力が十分すぎるほどの結果を残している。先発陣では山崎伊が6回3失点(自責2)、赤星が6回1失点、堀田が6回無失点といずれもクオリティー・スタート(6回以上自責点3以下)を達成。3人合わせて防御率1・50と役割をきっちり果たしている。

リリーフ陣でも、経験値が少ない投手が存在感を示している。ドラ1右腕の大勢は4試合に登板し、計4回無失点でリーグトップの4セーブを記録。奪三振率は15・75と脅威の数字をたたき出している。2度の育成落ちを経験し、昨季1軍登板がなかった17年ドラ1の鍬原も新守護神につなぐセットアッパーで奮闘。4試合で無失点、3ホールドと早くも欠かせない存在になりつつある。

まだ判断を下すのが時期尚早なのは分かっているが、公式戦で結果を残し、確かな潜在能力を持つことは証明した。桑田投手チーフコーチは山崎伊、堀田ら若手投手について「2、3年後が本番」という方針を示している。巨人の将来を支えるであろう若手たちが、一斉にスタートを切った22年シーズン。ロマンにあふれた1年になりそうだ。【巨人担当 小早川宗一郎】

左から巨人山崎伊織、赤星優志、堀田賢慎
左から巨人山崎伊織、赤星優志、堀田賢慎