ソフトバンク藤本博史監督(58)が「モチベーター」ぶりを発揮し、1軍、2軍を含めたチーム全体を活性化させている。

まさに、ピンチはチャンスだ。3月末に左膝負傷の栗原の出場選手登録を抹消。「調子のいい者はすぐに使っていく」と、2軍で好調だった柳町を登録して即スタメン出場させた。いきなり2安打と結果を残せば「そのままレギュラー取ってくれたら」と期待をかけ、その後もたびたび先発起用している。

今月7日には主将の柳田が左肩を痛め、離脱。その日に登録したルーキー正木を3番打者で起用する、思い切った采配も披露した。一方で、4試合で13打数2安打と思うような結果が出なければ、同18日には出場選手登録を抹消。当日は偶然にも1軍と2軍の移動が重なり「昨日、新幹線で一緒やったんでね。10日間で上がってくるつもりでやってこいと言いました」とケアも忘れなかった。

野手だけではない。昨オフに育成契約となっていた2年目右腕の田上も、ウエスタン・リーグ開幕戦に先発するなど好投を続け、今月7日に支配下再登録。同12日ロッテ戦でプロ初登板初先発の場を与えた。

2軍で結果を残せば、1軍でチャンスがもらえる。当たり前のようで、案外に単純ではなかったサイクルを確立。2軍選手も確かなモチベーションで臨める環境づくりができた。「今年は1年間、頻繁に選手を入れ替えていきたい」。2軍監督を務めるなど、チーム全体を知り尽くした藤本監督の手綱さばきで、ファームで鍛錬する若手たちも燃えている。【ソフトバンク担当=山本大地】

練習を見守る藤本監督(2022年4月13日撮影)
練習を見守る藤本監督(2022年4月13日撮影)
選手に声をかけるソフトバンク藤本監督(2022年4月3日撮影)
選手に声をかけるソフトバンク藤本監督(2022年4月3日撮影)