救世主は誰だ!? 巨人の左腕不足が深刻だ。現状、先発ローテーションを確保しているのは4勝を挙げているメルセデスだけ。先発陣は菅野、戸郷、山崎伊、赤星、堀田、シューメーカー、アンドリースら右腕がズラリと並んでいる。

中川の負傷離脱が長引き、リリーフ陣も左腕不足は同様だ。今村がリーグトップの16ホールド(2日時点)と奮闘しているが、他の選択肢としては、変則の高梨のみ。大江も負傷離脱などがあり、ファーム調整が続いている。戸根、高木ら実績ある中堅も、今季はいまだに1軍から声がかかっていない。

かつては、MLBでも活躍した高橋尚成、現西武の内海哲也、現在チームで投手コーチを務める杉内俊哉、山口鉄也ら左腕が投手陣を支えてきた。今回は左腕不足のチームを救い、将来的にレジェンド左腕たちに肩を並べる可能性を秘めた若手左腕7選手を紹介する。

◆井上温大(はると)投手(21) 現在は育成選手という立場ながら、昨季は高卒2年目でイースタン・リーグの開幕投手を務めた。左肘頭スクリュー挿入術を受けて1年以上のリハビリ期間を過ごしたが、5月10日に実戦復帰。柔らかい投球フォームから繰り出す伸びのある直球を武器にする。2年連続で西武内海に弟子入りし、超ハードな走り込みで鍛えた下半身と精神力も期待できそうだ。

◆山本一輝投手(23) いまだ1軍昇格経験のない、20年のドラフト6位ルーキー。直球のスピードは130キロ後半から140キロ前半ながら、出どころの見えにくいフォームから、キレのある直球で詰まらせたり、空振りも取れる。

◆高橋優貴投手(25) 昨季は唯一チームで先発ローテを1年間守り抜き、11勝を挙げた。今季は1勝4敗、防御率4・82と苦しんでいるが、実績面では他の若手より圧倒的に上回る。宝刀スクリューと、キレのある直球の組み合わせで、リベンジを期す。

◆横川凱投手(21) 5月29日の日本ハム戦では今季初登板初先発も、4回5失点と期待に応える活躍を見せられず、ファーム行きが決定。桑田投手チーフコーチから制球力の向上を求められた。だが、それも期待の裏返し。桑田コーチの指導で左手のテークバックを微修正し、2軍戦で2勝0敗、防御率2・16も好成績を残してきた。再スタートを切って、いまだ挙げられていないプロ初白星を取りに行く。

◆山田龍聖投手(21) 昨年のドラフト2位ルーキー。制球面や変化球でプロの壁に当たっているが、最速153キロの直球と気合の入った投げっぷりは素質十分。まずはファームから、アピールを目指す。

◆石田隼都投手(19) 東海大相模(神奈川)のエースとしてチームをセンバツ制覇に導いたドラフト4位ルーキー。3軍戦でも好投し、順調にステップを踏んでいる。1日には1軍練習にも合流し、トップレベルを肌で感じた。

◆代木大和投手(18) 明徳義塾(高知)時代には阪神のドラ1右腕・森木とライバル関係にあったドラフト6位ルーキー。プロ入り後はオリックス宮城とそっくりな2段モーションから、制球良くストライクゾーンへ投げ込む。1日に石田とともに1軍練習に合流した。

ここから誰が頭角を現すのか。温かく見守りたい。【巨人担当=小早川宗一郎】

巨人山本一輝(2021年1月14日)
巨人山本一輝(2021年1月14日)
高橋優貴(2022年5月22日撮影)
高橋優貴(2022年5月22日撮影)
巨人横川凱(2021年11月23日撮影)
巨人横川凱(2021年11月23日撮影)
巨人山田龍聖(2022年2月18日撮影)
巨人山田龍聖(2022年2月18日撮影)
石田隼都(2022年6月1日撮影)
石田隼都(2022年6月1日撮影)
代木大和(2022年6月1日撮影)
代木大和(2022年6月1日撮影)