中日京田陽太内野手(28)が17日巨人戦で約1カ月半ぶりに1軍復帰した。そこから3連戦全てでヒットを放ち、10打数5安打、1盗塁。交流戦を6連敗で終えていたが、京田が合流してリーグ戦再開を2勝1敗と勝ち越しで滑り出した。

5月4日DeNA戦の試合中に2軍降格を通達され、そのまま横浜から名古屋に強制送還。異例の処断に、立浪監督から「戦う顔をしていない」と厳しく指摘された。京田は2回の第1打席で三振、4回の遊撃守備では二遊間のゴロをグラブではじき内野安打にした。4月末にも同じような軽いプレーがあった。降格時の打率は1割5分7厘。打撃が不振でも、1年間通じた守備を期待されてただけに、貢献どころかファイティングポーズを欠いていると判断された。

選手会長を務める京田を気にかけたのは、今年から投手キャプテンに就任した大野雄大投手(33)。「もともと淡々と表情に出さずにプレーする選手。あれだけ打てなくて、守備もぴしゃぴしゃか、といったらそうじゃない。あいつのことを僕は信用、信頼している。手をつけられないぐらいで帰って来てほしい。そこを乗り越えないと。負けないでほしい」。ナゴヤ球場で先発投手の残留調整で一緒になったエースは、悩める正遊撃手にエールを送っていた。

17日の巨人戦。先発した大野雄は8回無失点でチームの連敗を6で止めた。その背中に感じる京田の視線もエネルギーにしていた。「(京田の復帰は)良かったと思う。帰ってきて1発目の試合で勝てた。アイツも1本出た。選手会長で背負っているものも大きい。その1試合目で勝てたらアイツもうれしい。どんどん乗っていってほしい」。野手キャプテン大島も含め、再び三役そろい踏みとなり、ここから反攻を仕掛けていきたいところだ。【伊東大介】

2022年6月17日、巨人戦の8回表、雄たけびを上げながら力投する中日先発の大野雄大
2022年6月17日、巨人戦の8回表、雄たけびを上げながら力投する中日先発の大野雄大