阪神の佐藤輝明内野手(23)が、「掛布以来」の栄冠に向けて歩みを進めている。7月25日現在、二塁打の数はセ・リーグ最多の28。同24日DeNA戦でも2回に浜口から左翼へ二塁打を放ち、前半戦を締めくくった。

佐藤輝がこのままセ・リーグの二塁打王となれば、阪神では13年のマートン37本以来。日本人に限ると、82年の掛布雅之以来40年ぶりの快挙だ。この年の掛布は27二塁打だったから、佐藤輝は既に超えてもいる。

現在のところ、セでは2位のヤクルト山田23本に5差をつけている。パ・リーグ最多は楽天島内の22本だから、12球団最多でもある。

それだけではない。阪神選手のシーズン最多二塁打は、10年に新井貴浩が放った42本。佐藤輝が現在のペースを維持すれば、143試合換算で同じく42二塁打に達する見通しだ。ほんの少しペースを上げれば、更新も夢ではない。生え抜き選手最多は、50年藤村富美男の41本である。初代ミスター・タイガースを超えることも十分に可能である。

阪神の通算二塁打数上位を出すと

(1)藤田平 355

(2)鳥谷敬 348

(3)藤村富美男 339

(4)吉田義男 273

(5)遠井吾郎 253

中距離打者のイメージが強い選手が名を連ねる。意外なことに、掛布は250二塁打でベスト5には入っていない。

規格外の飛距離が魅力の佐藤輝だが、さっそうと二塁へ駆け込む姿も板につき始めた。後半戦もツーベースを量産し、掛布以来の快挙を目指してほしい。そしてもちろん、豪快な「四塁打」すなわち、アーチ量産もお忘れなく。

【記録室 高野勲】(スカイA「虎ヲタ」出演中。今年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」で準優勝)

24日DeNA戦で二塁打を放った阪神佐藤輝明は二塁上で声援に応える
24日DeNA戦で二塁打を放った阪神佐藤輝明は二塁上で声援に応える