<ソフトバンク7-2日本ハム>◇19日◇ペイペイドーム

やっぱり打線の核は「4番打者」だ。ソフトバンクが苦手の日本ハムに完勝。今季初先発となった板東が6回途中無失点の好投を見せれば「主砲」もしっかりと責任を果たした。

開幕からなかなか笑顔と縁遠かった柳田がお立ち台で笑った。

「(打撃は)ひどいです。でも、試行錯誤しながら頑張っています」

3回2死二、三塁の好機にポンセのナックルカーブを中前に運んだ。2人の走者を迎え入れ主導権を握った。「追い込まれていたので必死に前に飛ばすことだけを考えていた」。前カードの西武戦(ベルーナドーム)から打席で少しばかりアゴを上げた構えになった。繰り返す微調整は開幕から数知れないだろう。納得のフォームにはまだまだ届いていないのだろうが、ペナントレースは早くも終盤戦に入る。胸にキャプテーンマークを付けて臨むV奪回のシーズン。「4番」は結果で応え続けるしかない。

1打席目の内野安打、6回の右翼線二塁打に8回には一、二塁間を割って右前に運んだ。今季2度目の4安打。だが、猛打賞もこの2度だけ。毎年、2ケタ近い猛打賞を記録している男にとっては、少しばかりさびしい数字だが、復調のきっかけとなるのならチームにとっては頼もしい安打ショーでもあった。

故障者続出にコロナ禍もあって、なかなかチームは整わない。8月戦線は周東、牧原大らの「機動性」を高め、スピード感ある多彩な攻撃を目指しているものの、やはり存在感ある「主軸」のバットは最大の魅力となる。中村晃、三森のコロナ陽性が判明しただけに、主軸への依存度はさらに高まる。試合後の藤本監督も「4、5番が打てばね」と柳田、デスパイネの打撃にさらに期待を寄せた。

「しっかり気を引き締めてやります」。柳田はファンの前でキッパリと言った。主将&4番のプライドは忘れていないはずだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】