1月12日、浜松医科大学医学部付属病院の小児病棟を訪問した西武栗山巧外野手(39)を取材しました。

14年から、小児がんの子どもと、その家族支援のため「公益財団法人がんの子どもを守る会」の協力の下、全国4カ所の小児病棟に、おもちゃや必要物資などを10万円分ずつ寄贈。コロナ禍で3年ぶりに実現した今回の病院訪問では、闘病中の子どもたちと、自身が寄贈したおもちゃで遊んだり、キャッチボールで交流。「非常にしんどい思いをされているお子さんも、たくさんいらっしゃって。ちょっとでも気分転換できて、いい笑顔を見せてくれる子どもたち、たくさんいましたし。ちょっとは役に立ったかなと。みんなが元気そうで、うれしかったです」と充実した表情を見せていました。

栗山はこの活動の他にも、東日本大震災からの復興支援など、さまざまな社会貢献活動を長年継続中。その根底にあるのが、95年1月17日、当時小5で被災した阪神・淡路大震災の記憶です。「僕の暮らしている地域はそんなに被害はなかったですけど、それでもたくさん全国から、世界から支援をいただいて。困った事があった時は支え合う、助け合う。そういうのがあるんだなと子ども心に感じて。もし自分がそういう立場になった時は、自分に出来ること、大きなことではないかもしれないけど、小さなことでも何かやりたいというのが、皆さんの協力を得て、こういう形になっている」と言います。

現在は球界全体に社会貢献活動の動きが広がり、個人で活動する選手も増えていますが、さらなる拡大も願っています。「やっぱり(若い選手に)引き継いで欲しいところもあるし、僕も継続してやっていきますし。野球だけじゃなくて、スポーツをやっている人間、もっと一枚岩となって、こういう活動が出来たらいいと思うし。みんなで、そういう態勢を作っていけたらなと思います」。

今季プロ22年目を迎える大ベテランは「僕が活躍して『あの選手だ!』と思ってもらえるように頑張っていけたら」とニッコリ。今後もグラウンド内外で、大きな存在感を示していくことを期待します。【遊軍・鈴木正章】