担当球団を持たない遊軍記者として、2月の沖縄各地を転々としたが、今年は「キャンプの日常」が色濃く戻ってきたと実感した。

宜野湾のDeNAキャンプではファンサービスエリアが設けられ、選手が写真撮影などに応じていた。またロッテのキャンプ地、糸満では選手らが気さくにファンにサイン。15日のヤクルトとの練習試合では、佐々木朗対ヤクルト村上の「侍ジャパン対決」が実現し、球場は内野席がビッシリと埋まり、外野席まで開放するほどだった。

ファンと選手との「距離」が以前のようにグッと近づいたが、それは我々報道陣も同じ。取材エリアが広がり、より多くの選手の声を聞くことが可能となった。DeNA守護神の山崎とも久々に話すことが出来たが、「いい感じですよ」と話す、充実した表情が印象的だった。「神対応」と言われるほどファンを大切にしてきた右腕。リラックスした様子で、心身共に充実しているように見えたのは、ファンとの触れ合いや、日常が戻ってきたことも一因にあるのだと思う。

オープン戦開幕戦となった23日のヤクルト-巨人からは、マスク着用による声出しと、トランペットなどの鳴り物を使用した応援が解禁となった。コロナ禍の20年に就任した高津監督も「当たり前のように声を出して、喜んだり悲しんだり出来るというのは、すごく良かったなと思います。本来のプロ野球の姿というか、応援のスタイルになったことは、現場の我々からしても、すごくうれしい」と喜んでいた。

日常を取り戻しつつあるプロ野球。今季から横浜スタジアムでDeNA山崎の登板時に、入場曲に合わせてのジャンプとコールを繰り返す名物応援「ヤスアキジャンプ」も解禁となるという。スタジアムの臨場感を試合原稿に盛り込むことも、自然と増えていくことになりそうだ。【遊軍・鈴木正章】