<日本生命セ・パ交流戦:広島2-3ソフトバンク>◇4日◇マツダスタジアム


よし、勝ったというよりも、広島に負け越さなくて良かったというのが実感ではなかったろうか。6回に長短5連打で逆転したものの、打線は5回までノーヒットに抑え込まれていた。広島の拙攻にも助けられ、点差が開かなかったのは幸いではあった。1点差に詰め寄られ、終盤7、8、9回にはいずれも先頭打者が安打で出塁しながら得点には結びつかなかった。「あと1本」「あと一打」の追求もさることながら、中日戦からこの6試合でチームは計29得点、25失点。得点数を追うように推移する失点数がどうも気にかかる。

しぶとく「守り勝つ」野球も課題にしたいところだが、何とも痛かったのは川瀬の負傷交代だった。5回の打席でセーフティーバントを試み一塁へ駆け込んだが、一塁手のマクブルームと交錯。左膝を痛打し途中交代した。試合後、松葉づえをついて姿を見せた川瀬は「足をつくのも痛い」と沈痛な表情で球場を後にした。

体調不良で抹消中の今宮に代わって8試合連続スタメンで「遊撃手」を務めてきたが、川瀬のチーム離脱となれば、今宮、野村勇の早期合流を余儀なくされる。この日の2軍戦には今宮、野村勇ともに出場しているだけに6日からのDeNA戦(ペイペイドーム)での合流は可能とはいえ「内野の要」とも言えるポジションに不安を残すことになるだけに藤本監督も頭が痛かろう。

交流戦は3勝3敗と星は五分に戻した。昨年も勝ち越せなかったセ界戦だが、何とも厳しい戦いが続きそうだ。【佐竹英治】