「日本生命セ・パ交流戦」は、DeNAの初優勝で幕を閉じました。期間中の3試合で2勝0敗、防御率1・88の安定感を見せたエース今永昇太投手(29)は、打席でも存在感を発揮していました。

交流戦最終盤の6連戦初戦となった13日の日本ハム戦(横浜)。“本業”では7回を117球、9安打2失点。「今シーズンだけじゃなく、もしかしたらキャリアでも一番悪かったくらいの真っすぐだった」と苦しみながらも粘った左腕。打席でも粘り強く1安打、1犠打を決めて、いずれも得点に絡みました。

お立ち台では「たまたまヒットになってくれてよかった」と話していましたが、当然「たまたま」だけで、3割6分4厘の高打率(6月22日現在、11打数4安打、2犠打)を残すことは出来ません。その後の取材では、ロッカーが隣のキャプテン佐野から、この日先発の日本ハム上原の情報を収集していたことを明かし、「左バッターにはフォークもあると言われていたのでフォークも見逃せました。そういう出来る準備を丁寧にやっていく。たまたまではなく『だからこうなった』という準備をしたいなと思っている」と納得の表情を見せていました。この日の2回2死一、二塁の第1打席。カウント1-2からの4球目、勝負球の134キロフォークをきっちり見逃し。5球目の外角149キロ直球を流し打ち、三塁への内野安打で満塁へチャンスを拡大。連続適時打につなげました。

また積極的にスイングし、追い込まれればカットしてファウルで粘る今永は、「初球で凡打にならないようにだけは気を付けますね。凡打になるようなバットの出し方は、しないように心掛けます」とも明かしました。投手の打席では、ある程度アウトを計算できますが、それでも簡単に初球凡退だけはしないぞ、というこだわりでしょう。投球はもちろん、打席でも多くのこだわり、哲学を持つ今永。レギュラーシーズン再開後のバットでの貢献にも注目していきたいと思います。【遊軍・鈴木正章】

DeNA対日本ハム 2回裏DeNA2死一、二塁、内野安打とする今永(撮影・江口和貴)
DeNA対日本ハム 2回裏DeNA2死一、二塁、内野安打とする今永(撮影・江口和貴)
DeNA対日本ハム 4回裏DeNA1死二塁、犠打を決める今永(撮影・江口和貴)
DeNA対日本ハム 4回裏DeNA1死二塁、犠打を決める今永(撮影・江口和貴)
DeNA対日本ハム 試合後、インタビューに応じるDeNA今永(撮影・江口和貴)
DeNA対日本ハム 試合後、インタビューに応じるDeNA今永(撮影・江口和貴)