いよいよプロ野球の2024年シーズンが幕を開ける。4年ぶりのV奪回を目標に掲げるソフトバンクにとっては小久保ホークス新体制の船出だ。キャンプから故障者が少なく、オープン戦もチームは1位で終えた。充実のシーズンインだろう。もちろん、キャンプ&オープン戦は「練習期間」。練習通りに本番もうまくいくかどうかは保証はない。さらに気を引き締めて球春プレーボールに挑んでもらいたい。

米メジャーから移籍2年目となる有原が開幕投手の大役を務める。昨年、チームで唯一の2ケタ勝利投手。リーグ3連覇のオリックス打線にどんな投球をみせてくれるのか楽しみだ。日本ハム時代の20年以来、4年ぶりとなる開幕マウンドに向け、有原も「責任感を持ってやりたい」と力を込めた。この日夕、チームは敵地・京セラドーム大阪で練習。誰よりも大粒の汗を流していたのは女房役の甲斐だった。「うーん、やっぱり開幕は緊張しますよ。143試合の中の1試合には変わりなく、勝ち負けはシーズンが終わったら分かりますけど、とにかくスタートは大事だと思っています。いいスタートが切れるかどうかは重要なんで」。有原の初球はマスク越しの甲斐のサインで決まる。「今からホテルに帰って、データとかいろいろとやることがありますからね。試合前のブルペンまでずっと(初球のことは)考えますよ」。甲斐はニヤリと笑った。

山川、ウォーカーの加入で打線は厚みを増したものの、チームの不安材料は先発投手陣。投手をリードする司令塔・甲斐の役目は今年も大きい。「オリックスは打線がつながる。下位打線からでもうまく上位につないで得点する。完全試合で抑えるというのはないので、ヒットを打たれても失点しても、いかに最少のキズで打線を切っていくか。そこが重要だと思っています」と甲斐は言った。

雪辱のシーズンへ-。球音が待ち遠しい。【佐竹英治】