今年のオールスターは2試合で両軍合計77安打、43得点が生まれるという歴史的な展開で幕を閉じた。ソフトバンクからは周東佑京内野手(28)、松本裕樹投手(28)、大津亮介投手(25)が初出場。そして全パのコーチを務めた小久保裕紀監督(52)も、NPB1軍監督としては“初出場”だった。
「何でも一番最初は覚えている」という指揮官は、もちろん選手時代のオールスター初出場を鮮明に覚えている。エスコンフィールドで行われた第1戦前に話してくれた。
「一番最初しか記憶ないけどね。一番最初にこの舞台に立って、ファンの人に認められて、日本のトッププレイヤーと一緒に入れた。松井秀喜もおったし、イチローもおったし。一緒にプレーしたのはもうすごい自分の自信につながった」
プロ2年目、ダイエー時代の1995年7月25日。横浜で行われた第1戦で、オールスター初出場した小久保監督は全パ「8番二塁」で出場し3打数無安打だった。当時の新聞を見ると「緊張はしなかったから打てるかなと思った。本塁打は狙わなかった」とコメントしているが、快音は翌26日の広島で行われた第2戦で生まれた。
「6番二塁」でフル出場し、4打数3安打1本塁打2打点。優秀選手賞で100万円を獲得し、さらに94年に松井とイチローも獲得した新人賞30万円のビックボーナスまで手にしていた。当時の小久保監督の推定年俸1500万円は、第2戦の先発オーダーの中で最も低い年俸だったという。「使い方? お金は関係ありません」と話しているが、簡単には隙を見せない小久保監督らしい言葉だと思った。ちなみに新聞に乗っていた愛車欄には「三菱 GTO」と記載されている。
話を現代に戻し、小久保監督は「イチローと話した会話は、その後の野球人生でとてもプラスになった」と教えてくれた。今年のオールスターでも球団の垣根を越えて、様々な交流があった。初出場だった周東、松本裕、大津も貴重な2日間になったはずだ。【ソフトバンク担当=只松憲】




