<ソフトバンク5-1オリックス>◇26日◇みずほペイペイドーム

ようやく長い模索の日々を抜け出すことができるだろうか。ソフトバンク山川が後半戦スタートとなるオリックス戦(みずほペイペイドーム)で、初回に15号先制2ランを放った。内角寄りの直球をうまくさばいた。インパクト後は右手を外してのフォロースルー。ライナー性の打球で左翼テラス席に突き刺した。アーチストならではの技ありの一撃だった。

10日のオリックス戦(京セラドーム大阪)以来の1発。公式戦では10試合ぶりのアーチだが、球宴1戦目のエスコンフィールドでホームランを放ち、気分よく後半戦開幕を迎えていた。

海の向こうではドジャース大谷が31号ソロを放って、日米通算250号を達成した。山川と大谷。今季の開幕前までの通算本塁打数は大谷219本(日本48、MLB171)、山川218本とほぼ同数だった。勝負の舞台こそ違っても、ともに新天地でシーズン40発を期待されていた2人。正念場の夏場を前に、山川は大きく水をあけられてしまった。もちろん、両者に本塁打争いライバル心はないだろうが、山川にとって大谷は自らを鼓舞する存在になり得るはずだ。

ホークス元監督の秋山幸二氏は米国野球留学時代のチームメートだったグレン・デービス氏(元アストロズ、のちに阪神にも在籍)のMLBでの活躍を発奮材料にしていたという。「グレンがメジャーで何発打ったとかいつもチェックしていた。自分も負けられないと思ってね」。現役が終わったころ、秋山氏が懐かしそうに話していた姿を思い出した。

山川と大谷は侍ジャパンのメンバーとして昨年春、WBCで世界一に輝いた。3度の本塁打王に輝いた山川でも、大谷の打撃は次元が違うと言う。「大谷が一流のプロ野球選手としたら、僕は高校生レベルの打撃。そのくらい差があります。ほんとそのくらいの差があると思いますよ。彼は前しか見ていないですから」。メジャーで大活躍する後輩打者への謙遜もあるのかもしれないが、アーチストとしての誇りは負けていないはずだ。