17日のドラフト会議に向け、指名候補を一気に紹介。第6回は東北の逸材。

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津軽育ちの大型外野手が、優勝を手土産にプロ入りへかじを切った。青森大・蝦名達夫主将(4年=青森商)は9月21日、16季ぶりの北東北Vを決め、真っ先に胴上げされた。「上でも野球を続けていく自信ができた」とリーグ全日程終了後に志望届を提出した。

ドラフトファイル:蝦名達夫
ドラフトファイル:蝦名達夫

50メートルを6秒0で走るなど身体能力が高い。西武の山川、外崎(ともに富士大)、秋山(八戸大=現八戸学院大)らを輩出したリーグで4度のベストナインに輝き、1年秋に打点王、今春は本塁打王、今秋は首位打者。最終週には5球団6人のスカウトが訪れた。DeNA欠端スカウトは「センターから右に本塁打を打てる長打力が魅力。肩も強く脚力もある」と評価する。

大学は東都の名門から誘われたが「地元でプロ野球選手になりたい思いが強かった」。3年秋から主将。富士大、八戸学院大の壁が厚かった3位の指定席から、最終シーズンに優勝を最多36度に伸ばして復活に導いた。ドラフト後の26日からは明治神宮大会出場をかけた東北代表決定戦も控える。「自分たちがどこまで通じるのか楽しみ」と初の全国舞台にも意気込んだ。

ドラフトファイル:石森大誠
ドラフトファイル:石森大誠

投手なら、南東北で10季ぶり2度目の優勝を導いた東北公益文科大(山形)の左腕・石森大誠投手(4年=遊学館)。指名されれば同大史上初のプロ野球選手誕生だ。最速149キロの直球と、スライダーなどの変化球が魅力。大学通算22試合に登板して10勝4敗、104回を投げて121奪三振。「創部17年目。伝統を作っていくことに魅力を感じて入学した。どこの球団でも指名されたら行きたい。大学の歴史に名前が残れば」と使命を担う。

1年春から登板し、3年秋までは制球難などで崩れることもあったが、投球フォームを見つめ直して安定感も増した。「即戦力にならなくてはいけない。そのためにはスピード以上に、コントロールも求めないと」。2年秋には外野手でベストナインに輝き、今秋のリーグ戦でも中堅手としても活躍するなど身体能力も抜群だ。(つづく)【中島正好、鎌田直秀】