高卒3年目の20歳、中日岡林勇希外野手が走攻守で存在感を見せている。ここまでチーム最多の137試合に出場。154安打で打率2割8分9厘、22盗塁と自慢の快足を武器に充実のシーズンを送っている。

【イラスト】高卒3年目以内にシーズン150安打以上した選手
【イラスト】高卒3年目以内にシーズン150安打以上した選手

高卒3年目までに「100安打+20盗塁」を達成したのは、05年西岡(ロッテ)以来10人目(14度目)。さらに、その中で「150安打+20盗塁」は55年豊田(西鉄)94年イチロー(オリックス)に次いで3人目。セ・リーグでは初の快挙だ。そもそも高卒3年目までにシーズン150安打は難しく、岡林が史上9人目。過去達成した8人のうち7人が通算2000安打以上という、レジェンドばかりが並ぶ中に岡林が名を連ねてみせた。

【イラスト】高卒3年目以内に「100安打+20盗塁」を記録した選手
【イラスト】高卒3年目以内に「100安打+20盗塁」を記録した選手

バッティングだけでなく守備も岡林の大きな魅力だ。俊足を生かした広い守備範囲に加え、投手出身ならではの強肩も武器で、今季7補殺はセ・リーグ1位。2リーグ制後、過去の補殺リーグ1位の外野手を調べてみると、高卒3年目以内の選手は53、54年町田(国鉄)63年土井(近鉄)92年前田(広島)の過去3人(4度)だけ。イチロー、新庄といった名手も4年目には1位になっていたが、3年目で記録するのはかなりハイレベルのようだ。岡林がこのまま4人目の記録を達成するか、守備でも目が離せない選手だ。

【イラスト】今季のセ・リーグ外野手捕殺ランキング&2リーグ制後、高卒3年目以内に捕殺リーグ1位の外野手
【イラスト】今季のセ・リーグ外野手捕殺ランキング&2リーグ制後、高卒3年目以内に捕殺リーグ1位の外野手

先述した広島前田は補殺1位だった前年の91年に、外野手最年少の20歳でゴールデングラブ賞を受賞(他ポジションでは投手、遊撃手で19歳がいる)。02年2月生まれの岡林が今季受賞できれば、前田に並んで最年少になる。打撃ではレジェンドたちに肩を並べたが、守備でも年少記録に並べるか、こちらも期待したい。【多田周平】