なんとなくウキウキしているように見えるのは気のせいか。ナイン、関係者も虎番記者も。3、4日にヤフオクドームで行われるソフトバンクとのオープン戦に備え、この日の練習後、みんな福岡に移動していった。

 その福岡遠征で今年は少し変化がある。1軍はリーグが違うので福岡遠征は交流戦だけ。しかも今年はない。だからこのオープン戦が最後の福岡になる。あとは日本シリーズがあるかどうかだが。そんな先のことはともかく、ファームはウエスタン・リーグの公式戦で日常的に福岡遠征がある。それについての話だ。

 ソフトバンクのファームは福岡市東区にある雁の巣球場が本拠地だった。従って阪神、広島、中日などソフトバンクとの遠征にいく他球団は福岡市内に宿泊していた。

 だが、その本拠地は16年から雁の巣球場ではなく「タマホームスタジアム筑後」に移っている。同球場は福岡県筑後市にあり、16年の3月からソフトバンクが2軍、3軍の本拠地として使用開始した。それでも16、17年の2年間は遠征に行くビジター球団の方は相変わらず福岡市内を宿舎にしていた。阪神も同じだった。

 その2軍宿舎について、阪神は他球団に先んじて福岡市内から大牟田市内に移すことを決め、今季から実施する。くしくも3、4日に同球場でファームのオープン戦である教育リーグが始まるので阪神ファーム陣もこの日、移動していった。

 宿舎を大牟田市内に移す最大の狙いは移動時間短縮だ。福岡市内に泊まっていたこれまでは球場まで約1時間20分、かかっていた。大牟田市内に泊まることで移動が40分程度短くなり、練習時間などが多く取れるようになる。

 さらに同球場初年度の16年、ちょうど阪神が遠征していた時に大雨で福岡市と筑後市を結ぶ道路が不通になり、移動に5時間以上もかかるアクシデントが発生した。それもあって宿舎と球場の距離が課題になり、検討を開始。今回の変更が実現した。

 最初にウキウキ…と書いたが何しろ出張したい街ランキングで常に上位に来るのが福岡・博多だ。夜間の自由時間などを考えれば選手にとっては福岡市内の宿泊が魅力的なのは言うまでもない。

 しかし当然ながらファームでもあり、そんなことは勘案されず、今回の決定に。阪神関係者は「福岡に泊まる意味はないでしょう。鍛えるために時間を有効に使えると思う」と話す。

 矢野2軍監督を迎え、指揮3年目の勝負に挑む金本監督率いる1軍同様、ファームも改革を進めているのである。【編集委員・高原寿夫】