岡田阪神は果たして球団史上初のセ・リーグ2連覇、2年連続日本一を達成できるのか-。日刊スポーツが誇る名物ライター3人がシーズン開幕を直前に控え、24年猛虎への思いを書き込んだ。オープン戦は球団ワーストの開幕9連敗から苦しんだチームだが、もちろん本番はこれからや!

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2024年シーズン開幕

直前のタイミング。阪神開幕特集の原稿依頼をいただいた。さて何を書く? やはりこの人に特化して記すことにする。

今年から阪神監督の岡田彰布はサインを求められると、これまでと違う座右の銘を添えている。昨年までは「道一筋」だったが、いまは「球道一筋」。これは村山実のそれを受け継いだもの。昨年のリーグ優勝、日本一で監督として村山を超えた。ようやくあこがれの先輩の言葉を継げるまできた。

さあ、次は何を超える2024年シーズンになるのか。まずは藤本定義を超える。阪神は2リーグ分立後、リーグ優勝を6度飾っているが、複数回の優勝に導いた監督は2人。1962年、1964年の藤本定義と2005年、2023年の岡田である。今シーズンは自身3度目の優勝を狙うシーズン。これを達成すれば藤本超えとなる。

次は2度目の日本一だ。1985年、吉田義男が日本一監督に輝いたが、頂点はその1度だけ。岡田は昨年に続く2度目の日本一を目指す。そうなれば堂々の吉田超え。大先輩のレジェンドを超えるチャンスが巡ってきた。

だが、これはあくまで個人的な記録であり、あくまであとについてくるもの。当然チームのことを考え、いかに勝てる采配を振るうか。それしか頭にない。「そうよ、チームが勝つために、どう進めていくか。監督の采配、作戦で年間どれくらい勝てる? そんなん、わずかなものよ。でもな、それを勝つか負けるか。これが大きな差になる」。

選手が活躍し、チーム全体が好調なら、勝手にチームは勝っている。そういう時、岡田はベンチで黙ったままでいるが、不調期に入った時、監督の技量が試されると思い続けてきた。今年、オープン戦で不安を増幅させた。周囲に漂う不吉な空気感…。岡田はそれを察知している。いわば今年はマイナス感覚からのスタートだが、こういう環境で岡田という人間はさえた采配を振るう。

66歳のシーズン。先のことは考えない。あと何年、監督を務めるのか? 素直な問いかけには「そんなん、考えてないし。とにかく今よ。今しか見てないからな」。連覇に向け、最年長監督がメラメラとしてきた。(敬称略)【内匠宏幸】

練習を見守る阪神岡田監督。右は大山(撮影・前田充)
練習を見守る阪神岡田監督。右は大山(撮影・前田充)
練習を見守る阪神岡田監督(撮影・前田充)
練習を見守る阪神岡田監督(撮影・前田充)
必勝祈願を行う岡田彰布監督(撮影・藤尾明華)
必勝祈願を行う岡田彰布監督(撮影・藤尾明華)