4月下旬、宮崎市で高校野球の春季九州大会が行われた。BIGBOSSこと日本ハム新庄監督の母校、西日本短大付(福岡)は準優勝。チームを率いる西村慎太郎監督(50)は、新庄監督と同学年でチームメートだった。今季、プロ野球で最も注目を浴びている指揮官だけあって、聞かないわけにはいかない。「BIGBOSSの采配をどう見られていますか?」と投げてみた。

西村監督 よく若い選手を経験させてますよね。もちろん、いろいろと戦略的なものがあるんでしょうけど、彼は若い子に対して「1軍ってこうなんだよ」って経験させているんだなって見てます。

日本ハムの今季開幕投手は、ドラフト8位の北山亘基投手(23)。野手では万波や清宮ら大砲候補も積極的に起用を続けている。西村監督は「結局、頭で考えても分からない。体感しないと自分の力のなさは分からない。そういう感覚が彼(新庄監督)にはあるんだと思います」。

BIGBOSSに習って? 西村監督も九州大会では新戦力を多く起用。1回戦では1年生の村上太一外野手をスタメンに抜てきして決勝打。準決勝では、3人の投手を公式戦初登板させた。「初めて出た子もいますから、ぜひ取材してあげてください」と、優しい目で言われた。

新庄監督の高校時代の努力は、今でも教え子たちに伝えている。「新庄の場合は、野球を楽しむために寝ないで練習をする。全然次元が違う。楽しむ、結果を出すために、それだけ陰で努力しているのが彼なので」。ナインに強制はしない。しかし、逸話は伝える。「目で見えている新庄の派手な姿だけが彼ではない。それだけは伝えたい」。西日本短大付の生きるバイブルは、西村監督が継承していく。【只松憲】