打たんなあ。しかし。まあオープン戦やからエエけど-。虎党のそんな声が聞こえてきそうだ。6安打を放った阪神打線だが、ここ一番で1本が出ず、無得点。昨年最下位に終わった中日との3連戦は2敗1分けに終わった。

これでOP戦のチーム打率は2割1分3厘だ。12球団ワーストである。「打てないときは打てんよな」と思いながら、それでもタメ息が出るのは失策数についてだ。ここまで15失策は12球団ワースト2。一番多いのは広島の「17」だが、それにしても相変わらずという感じがする。

今更だけど、あらためて「失策はよくないなあ」と感じたのは“6回のこと”があったからだ。2番手で抑え候補の1人でもあるゲラが登板。いきなり安打を許し、無死一塁。だが続く宇佐見真吾は投ゴロに切った。よし、ゲッツー。そう思った次の瞬間、ゲラからの送球を遊撃・木浪聖也が落球してしまう。

新加入のゲラと送球のタイミングが合わなかったのか。よもや2試合ぶりの出場で雰囲気がつかめなかったということはないだろうが、まさかのエラーで無死一、二塁となった。

「よくない」と感じたのは、その後、2死二、三塁と場面が変わって中島宏之がボテボテの投ゴロを放ったときだ。三、本塁間に転がったゴロをゲラが処理。回転しながら一塁へ投げた。内野手出身のゲラならではのプレーとも言えたが、このときゲラが左足をグラウンドに引っかけ、つんのめるような形で転倒した。

幸い負傷に至ることはなく、後藤駿太を遊飛に仕留めてチェンジとなったのだが、ここで思う。あの併殺をフツーに完成させていればどうだったか-。ミスが失点につながることは多いが、その後にアクシデントまで起こっては本当にまずいと思う。

何でも「たられば」を言い出せばキリがないのだが、流れは存在すると思うし、そういう意味でも簡単なミスにはやはり気をつけてほしいと思う。指揮官・岡田彰布は就任以来「エラーなんかするよ。そら」と失策そのものには寛大な姿勢を見せているが失点につながってくれば苦しい。

「失策数を減らすのは簡単じゃない。時間がかかりますよ」。内野守備走塁コーチ・馬場敏史が以前、言っていたが、その言葉をかみしめる。OP戦でよかった、と前向きにとらえ、引き締めてほしいところだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

中日対阪神 6回裏中日無死一塁、ゲラは宇佐見の投ゴロを二塁するが木浪がエラー。一塁走者は石川昂(撮影・加藤哉)
中日対阪神 6回裏中日無死一塁、ゲラは宇佐見の投ゴロを二塁するが木浪がエラー。一塁走者は石川昂(撮影・加藤哉)
中日対阪神 6回裏中日無死一塁、宇佐見の投ゴロを処理したゲラからの送球をはじく遊撃手木浪。走者石川昂(撮影・前田充)
中日対阪神 6回裏中日無死一塁、宇佐見の投ゴロを処理したゲラからの送球をはじく遊撃手木浪。走者石川昂(撮影・前田充)
中日対阪神 6回裏中日無死一塁、ゲラは宇佐見の投ゴロを二塁するが木浪がエラー。一塁走者は石川昂(撮影・加藤哉)
中日対阪神 6回裏中日無死一塁、ゲラは宇佐見の投ゴロを二塁するが木浪がエラー。一塁走者は石川昂(撮影・加藤哉)
中日対阪神 6回裏中日無死一塁、ゲラは宇佐見の投ゴロを二塁するが木浪がエラー(撮影・加藤哉)
中日対阪神 6回裏中日無死一塁、ゲラは宇佐見の投ゴロを二塁するが木浪がエラー(撮影・加藤哉)
中日対阪神 6回裏中日無死一塁、ゲラは宇佐見の投ゴロを二塁するが木浪がエラー(撮影・加藤哉)
中日対阪神 6回裏中日無死一塁、ゲラは宇佐見の投ゴロを二塁するが木浪がエラー(撮影・加藤哉)