前回、佐藤輝明について触れたのは17日、巨人戦(東京ドーム)の後だ。その巨人3連戦、チームは勝ち越したが佐藤輝は無安打。直前のカード、13日広島戦(マツダスタジアム)から4試合で安打がなく、今季ワーストの17打席連続無安打となっていたときだ。
その試合、空振りの際にバットから左手が離れ、ハンマースイングになった。さらにフォロースルーのバットが捕手のマスクをかすったのである。これを見て「振りすぎ」を懸念した。
佐藤輝は開幕の広島戦でいきなり決勝1号2ランを放っている。しかし、その後、3試合で無安打。三振が目立ち、内容もよくなかった。当時、広島3連覇監督・緒方孝市(日刊スポーツ評論家)の感じた懸念をここで紹介した。繰り返すが、こういうものだ。
「今年の佐藤輝は打率を意識してキャンプから過ごして、オープン戦もいい感じでやってきていた。しかし開幕戦、最初の打席で本塁打したことでそんな意識が吹き飛んでしまったのかもしれない」
その後、初心に戻れたのか軽打を意識して復活。ここまでは好調にプレーしていたのである。その結果、本塁打数も増えていた。だが12日の広島戦を休養目的で欠場。その後にこの状況となっている。ワースト17打席無安打を受けた19日の中日戦(京セラドーム大阪)で明らかに軽打を意識した打撃で右前打など2安打をマーク。これで不振から脱したかと思った。
だがその後、また快音が出ない。20日中日戦から、この日まで3試合16打席で無安打だ。つまり2安打は出たものの、その前後で不振は続くという見方もできる。レースのトップを走る本塁打に関しては31号を放った10日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)以来、出場8試合で出ていない。
この日は今季2度目の1試合4三振を喫した。これで三振数は昨年の「133」に並んだ。今季はまだ残り30試合ある。調子の波があるのは当然だし、球界を代表する打者に対して技術的なことは書きたくないけれど、今は明らかなボール球に手を出したり、オーバースイングになったりとの感じは見受けられる。
軽く打っても柵越えできることは証明してきたはず。優勝は間違いない状況で「40本」という個人成績がチラついたのか、それとも…。いずれにせよ、勝っても負けても佐藤輝が打たないと虎党は面白くない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




