今春大阪準Vの大阪偕星学園が、姫野優也(3年)の投打の活躍で、7回コールド発進。姫野は6回1失点、打っては豪快アーチを含む3安打3打点の大暴れだった。

 台風の影響でホームからセンターへ吹き抜ける強風の中、大阪偕星学園のプロ注目、先発姫野の剛球がうなった。最速142キロ、初の夏のマウンドで、6回を投げ4安打1失点。6三振はすべて空振りで奪った。しかし姫野は「一戦必勝で負けられないっていう意識が強すぎて、慎重になりすぎました。最後までずっと球が浮いていました」と反省。山本晳(せき)監督(47)も「このところ、投げるたびに良くなってきたが、この日はスライダーが、うまく使えなかった」とあえて辛口だ。もっとも合格点には遠い投球に対し、打撃は本塁打を含む3安打3打点。「(本塁打は)右に打とうと思ったら、左中間に飛んでいきました。入るとは思わなかったので、全力で一塁まで走ってしまいました」と照れた。

 姫野は、1年生の9月に天理高(奈良)から編入し、この春の公式戦から試合に出場するようになった。新チームに溶け込むには時間はかからなかったが、編入してから常に支えられ、信頼してくれた山本監督には感謝してもしきれない。

 大会前の練習は、個人練習を含めると日付が変わるまで行われたことも。「雑草の僕らが、勝つためには練習するしかないんです」と姫野。山本監督に恩返しするためにも、激戦の大阪を勝ち抜き甲子園へ行く。【坂祐三】

 ◆姫野優也(ひめの・ゆうや) 1997年(平9)4月2日、大阪府枚方市生まれ。小3まで水泳をやり平泳ぎでジュニア五輪に出場できたのを機に野球に転向。小4から西牧野アタックス、中学ではオール枚方ボーイズに所属。50メートル6秒2。183センチ、78キロ。右投げ右打ち。血液型B。家族は父、母、姉。