早実・清宮幸太郎内野手(1年)が決勝進出を目指し仙台育英戦。第1打席は二ゴロ併殺打、第2打席で5試合連続安打となる二塁内野安打を放った。しかし3打数1安打1四球に終わった。早実は佐藤世那に完封負けを喫し、涙をのんだ。

 清宮は5試合すべてでヒットを放ち、19打数9安打の打率4割7分4厘、2本塁打、8打点だった。


8月19日:準決勝・早実0-7仙台育英(3打数1安打1四球)


チーム
育英
早実

【早】松本、上條、吉野【仙】佐藤世

【本】平沢3ラン(仙)

試合開始4時間前の午前7時に開門

中央特別自由席は7時46分、一塁内野席は8時51分、三塁内野席は8時45分、一塁側アルプス席は9時39分、三塁側アルプス席は9時39分に売り切れ。10時過ぎには外野席もほぼ埋まった

【第1打席=二ゴロ併殺打】

1回表の守備で3番平沢の強いゴロをガッチリと捕球

1回表仙台育英2死、平沢の一ゴロを好守する清宮(撮影・今中雄樹)
1回表仙台育英2死、平沢の一ゴロを好守する清宮(撮影・今中雄樹)

仙台育英先発は最速146キロ右腕佐藤世那

◆1回1死一塁 1-1から131キロフォーク空振り。1-2から140キロ外角高め直球打って二ゴロ併殺打。今夏、西東京大会を通じて初めての併殺打

1回裏早実1死一塁、併殺打となった早実・清宮(撮影・狩俣裕三)
1回裏早実1死一塁、併殺打となった早実・清宮(撮影・狩俣裕三)

【第2打席=二塁内野安打】

仙台育英投手は右腕佐藤世那

◆3回2死一、二塁 初球直球をたたきつけ投手の頭を越え二遊間へ。二塁手が捕ったがどこにも投げられず内野安打。これで甲子園5試合連続ヒット

2死満塁にチャンスが広がったが二塁走者がけん制に刺され無得点

3回裏早実2死一、二塁、清宮は二塁内野安打で出塁する(撮影・宮崎幸一)
3回裏早実2死一、二塁、清宮は二塁内野安打で出塁する(撮影・宮崎幸一)

【第3打席=四球】

仙台育英投手は右腕佐藤世那

◆6回1死走者無し ストレートの四球

【第4打席=二飛】

仙台育英投手は右腕佐藤世那

◆8回1死走者無し ワンボールから130キロを打って二塁後方へのフライに倒れた

仙台育英対早実 8回裏早実1死、清宮は二飛に倒れる(撮影・宮崎幸一)
仙台育英対早実 8回裏早実1死、清宮は二飛に倒れる(撮影・宮崎幸一)

 早実は佐藤世那に6安打に封じられ、完封負け。清宮は、仙台育英の選手と試合後に握手。グラウンドを引き揚げる時に懸命に涙をこらえたが、目を赤くした。甲子園を沸かせた、清宮の1回目の夏が終わった。

仙台育英対早実 試合後、目に涙を受かべ、球場を引き揚げる早実・清宮(撮影・狩俣裕三)
仙台育英対早実 試合後、目に涙を受かべ、球場を引き揚げる早実・清宮(撮影・狩俣裕三)

8月17日:準々決勝・早実8-1九州国際大付(4打数2安打1本塁打1打点)


チーム
九国
早実

【早】松本【九】野木、中村、富山【本】富田2、清宮(早)

4回裏早実無死、右越え本塁打を放つ清宮(撮影・田崎高広)
4回裏早実無死、右越え本塁打を放つ清宮(撮影・田崎高広)

観衆は3万

甲子園球場前は午前6時前から大混雑。チケットを求める列は阪神甲子園駅まで伸び球場周辺はごった返した。開門時間は通常より40分早い6時20分

【第1打席=投ゴロ】

九州国際大付先発は右腕野木

◆1回2死走者無し カウント3-1から5球目は140キロ内角高めボール気味の球。止めたバットに当たって投手ゴロ

九州国際大付対早実 1回裏早実、投ゴロに倒れる清宮(撮影・田崎高広)
九州国際大付対早実 1回裏早実、投ゴロに倒れる清宮(撮影・田崎高広)

第1打席で左手親指の付け根を痛め、その治療のため4回表の守備に就くのが遅れた

【第2打席=右本塁打】

九州国際大付投手は右腕野木

◆4回先頭打者 初球内角への130キロのスライダーを右翼ポール際にライナーで飛び込む2試合連続のホームラン! 約20秒をかけゆっくりとダイヤモンドを1周。スタンドから大きな拍手

【第3打席=三ゴロ失策】

九州国際大付投手は左腕富山

◆5回1死走者無し 1-0から2球目137キロ直球を打って三ゴロ。一塁への送球が逸れセーフ。失策で出塁

【第4打席=左中間二塁打】

九州国際大付投手は左腕富山

◆7回無死一塁 初球135キロ外角高め直球を左中間フェンス上部直撃の二塁打。無死二、三塁にチャンスを広げ追加点につなげた

【第5打席=打席なし】

九州国際大付投手は左腕富山

◆8回2死二塁 カウント1-1。二塁走者がけん制球に刺されチェンジ


8月15日:3回戦・早実8-4東海大甲府(4打数3安打1本塁打5打点)


チーム
早実
東海

【早】松本、上條【東】菊地、松葉

早実対東海大甲府 3回表早実無死一塁、清宮幸太郎は右中間に勝ち越し2ランを放つ
早実対東海大甲府 3回表早実無死一塁、清宮幸太郎は右中間に勝ち越し2ランを放つ

観衆は4万5000

甲子園球場前は午前6時前から大混雑。チケットを求める列は阪神甲子園駅まで伸び球場周辺はごった返した。通常より35分早い午前6時25分に開門。同7時1分にネット裏中央特別自由席は売り切れた

【第1打席=死球】

東海大甲府先発は最速146キロ右腕の菊地

◆1回1死二塁 初球、2球目と外角直球を見逃し2ボール。3球目142キロの内角直球が尻に当たる死球。死球は今大会3試合連続3個目

早実はこの後2死一、二塁から5番金子の左前適時打で1点を先制

【第2打席=右中間2ラン】

東海大甲府投手は菊地

◆3回無死一塁 カウント1-2から真ん中に入ったチェンジアップを捉え右中間スタンドへ飛び込む勝ち越し2ラン! 甲子園初アーチが12打席目で飛び出した

【第3打席=一ゴロ】

東海大甲府投手は菊地

◆5回先頭打者 初球134キロを打って一ゴロ。一塁まで全力疾走、タイムは4秒17

【第4打席=3点二塁打】

東海大甲府投手は2人目の右腕松葉

◆6回2死満塁 カウント2-1からチェンジアップを打ってライト右へ走者一掃の3点二塁打。これで5打点!

【第5打席=右二塁打】

東海大甲府投手は右腕松葉

◆8回1死走者無し 初球133キロ直球を右へ二塁打。すべて長打の猛打賞!

早実対東海大甲府 1回表早実1死二塁、清宮幸太郎は死球で一塁へ歩く(撮影・梅根麻紀)
早実対東海大甲府 1回表早実1死二塁、清宮幸太郎は死球で一塁へ歩く(撮影・梅根麻紀)

8月13日:2回戦・早実7-6広島新庄(4打数2安打1打点)


チーム
早実
新庄

早実対広島新庄 3回表早実1死一、三塁、右前適時打を放つ清宮(撮影・田崎高広)
早実対広島新庄 3回表早実1死一、三塁、右前適時打を放つ清宮(撮影・田崎高広)

観衆は4万4000人

甲子園球場前は午前6時前から大混雑。チケットを求める列は阪神甲子園駅まで伸び球場周辺はごった返した。甲子園の上空は曇り。昨夜に降った雨のため内野グラウンドには全面シートが張られていた。通常より30分早い午前6時半に開門

【第1打席=空振り三振】

広島新庄先発は左腕堀

◆1回1死一塁 初球スライダー見逃し。2球目スライダー空振りで2ストライク。3球目外角直球ボール。4球目スライダー打ってファウル。5球目94キロのスローカーブをフルスイングも空振り三振

【第2打席=先制右前適時打】

広島新庄投手は左腕堀

◆3回1死一、三塁 初球133キロ直球ファウル。2球目118キロのスライダーをうまく合わせ右前へ先制タイムリー。これで西東京大会初戦から8試合連続安打

【第3打席=左前安打】

広島新庄投手は右腕関藤

◆5回先頭打者 カウント2-1から138キロ外角高め直球を左前安打しチャンスメーク

その後1死二、三塁から6番冨田の適時打で生還

【第4打席=死球】

広島新庄投手は右腕関藤

◆6回1死一塁 初球114キロの変化球が当たり死球。2試合連続の死球

その後、早実は4番加藤の中前適時打で6-5と勝ち越し

清宮、守備で頭脳的プレー!

6回裏無死一塁。広島新庄1番杉村が送りバント。一塁清宮の前への小フライに。清宮は落ち着いてワンバウンドで捕ると一塁ベースカバーの冨田二塁手に送球しまず1アウト。スタートが遅れた一塁走者も一、二塁間で挟殺しダブルプレーとした

【第5打席=投手ライナー】

広島新庄投手は清宮を迎えたところで左腕佐々木にスイッチ

◆8回2死一塁 カウント1-1から128キロ直球をジャストミート。金属音が銀傘に響いたが痛烈な投手ライナー。打球の速さにスタンドがどよめく

早実対広島新庄 5回表早実無死、左前打を放つ清宮(撮影・田崎高広)
早実対広島新庄 5回表早実無死、左前打を放つ清宮(撮影・田崎高広)

8月8日:1回戦・早実6-0今治西(4打数1安打1打点)


チーム
今治西
早 実

7回裏早実1死二塁、清宮は甲子園初安打となる右前適時打を放つ(河南真一)
7回裏早実1死二塁、清宮は甲子園初安打となる右前適時打を放つ(河南真一)

観衆は4万7000人

甲子園周辺は早朝から大混雑。午前6時前から入場券を求めるファンが行列を作り、最後尾は阪神甲子園駅の改札付近まで伸びた。通常より40分早め6時20分に開門。午前7時35分に満員通知が出た

【第1打席=一飛】

今治西先発は右腕藤原

◆1回1死二塁 初球112キロカーブ見逃しボール。2球目インハイ134キロ振ってファウル。3球目135キロ真ん中高めボール気味の速球を打ち上げ一塁へのポップフライ

早実はこの後、4番加藤死球、5番金子の右中間適時三塁打で2点を先制、さらに敵失で3点目を挙げた

【第2席=死球】

今治西投手は右腕藤原

◆3回1死走者なし カウント2-1からの106キロのカーブが右足に当たる死球。それでも一塁まで全力疾走

【第3席=中飛】

今治西投手はサイド右腕杉内

◆4回2死二、三塁 初球真ん中やや内寄りの124キロを打ち上げ平凡な中飛。甘い球を打ち損じ悔しそうに一塁へ向かう

【第4席=右前適時打】

今治西投手はサイド右腕杉内

◆7回1死二塁 初球125キロを鋭く振り抜き一、二塁間を痛烈に破る右前適時打。甲子園初安打初打点をマークした

【第5席=二ゴロ】

今治西投手はサイド右腕杉内

◆8回2死一、二塁 1-0から2球目126キロを打って二ゴロ

清宮のコメント

「何度もチャンスで回ってきて、1本くらい打たないと示しがつかないんで。まだまだです。(4万7000の大観衆で埋まった甲子園について)最高でした。今までとは違う感じ。気持ちよかったです」

9回表今治西2死、最後の打者安藤が二塁ゴロに倒れ、一塁手清宮はウイニングボールを手に整列に向かう(撮影・河南真一)
9回表今治西2死、最後の打者安藤が二塁ゴロに倒れ、一塁手清宮はウイニングボールを手に整列に向かう(撮影・河南真一)

4回裏早実、中飛に倒れる清宮(撮影・田崎高広)
4回裏早実、中飛に倒れる清宮(撮影・田崎高広)

4回表今治西1死一塁、秋川優史の打球を好捕し、二塁へ送球する早実・清宮(撮影・田崎高広)
4回表今治西1死一塁、秋川優史の打球を好捕し、二塁へ送球する早実・清宮(撮影・田崎高広)

3回裏早実、死球を受ける清宮(撮影・田崎高広)
3回裏早実、死球を受ける清宮(撮影・田崎高広)

1回裏早実1死二塁、清宮は一飛に終わる(撮影・梅根麻紀)
1回裏早実1死二塁、清宮は一飛に終わる(撮影・梅根麻紀)

甲子園球場に入る清宮(右から3人目)ら早実ナイン(撮影・江口和貴)
甲子園球場に入る清宮(右から3人目)ら早実ナイン(撮影・江口和貴)

8月7日=練習で140m弾

推定140メートルの場外弾で絶好調をアピール。8日の今治西(愛媛)との初戦へ向け、7日は大阪・豊中市内で最終調整。ケース打撃では、両翼95メートルの右翼フェンス後方の高さ18メートルの防護ネットを超える特大ホームランを放った。フリー打撃でも柵越え4本。「今日はだいぶよかったです。あれくらい打たなきゃダメですよね。いい感じです」と自信をのぞかせた

甲子園初戦の前日練習のケース打撃で推定140メートルの特大場外本塁打を放つ早実・清宮(撮影・江口和貴)
甲子園初戦の前日練習のケース打撃で推定140メートルの特大場外本塁打を放つ早実・清宮(撮影・江口和貴)

8月6日=開会式

 開会式。やや緊張した表情で入場行進。始球式で早実の大先輩・王貞治氏が外角低めに見事なストライク。「あそこで正確無比なコントロールで決められる王さんはさすがだなと思いました。あれは打てないです」

入場行進する早実・清宮(撮影・田崎高広)
入場行進する早実・清宮(撮影・田崎高広)

8月5日=開会式リハーサル

 開幕前日。甲子園で開会式リハーサルに臨んだ。堂々とグラウンド内を行進。ライバルたちを目の当たりにして「テレビで見たことのある、全国屈指の方がそろっていると実感した」と気を引き締めた。リハーサル後、他校の選手たちは球場脇の室内練習場から球場正面のバス駐車場まで歩いて移動したが、早実のバスは室内練習場の玄関前に横付け。安全面を考慮した異例の措置で、清宮らナインは速やかに車内に乗り込んだ


8月4日=甲子園のレジェンドと対面

 96年夏に「奇跡のバックホーム」で松山商(愛媛)を優勝に導いた右翼手・矢野勝嗣さん(36=愛媛朝日テレビ記者)との初対面に感激した。兵庫・尼崎市内での練習後にインタビューを受けた。「甲子園のレジェンド」との初対面に「(動画サイト)YouTubeにも上がってるし、見る機会も多かった。(直前で)ライトに代わった人ですよね」とうれしそうに話した。

早実・清宮「奇跡の本塁返球」矢野氏と対面に感激


8月3日=甲子園見学&組み合わせ抽選会

 午前中に甲子園見学。初めての甲子園の雰囲気を体感して「今までは実感が湧かなかったが、ここに来て暴れてやるぞという気持ちが増した」と胸を高鳴らせた。ヘルメットを着用して打席に入り、マウンドの投手の投球動作に合わせて鋭い振りを披露。報道陣から本塁打や安打を打つ姿を想像できたか、と問われると「できました」と会心の笑み

 午後4時から行われた組み合わせ抽選会で初戦の相手は今治西(愛媛)に決まった

組合せ抽選会でくじ引きを見守る早実・清宮幸太郎(中央)(撮影・梅根麻紀)
組合せ抽選会でくじ引きを見守る早実・清宮幸太郎(中央)(撮影・梅根麻紀)
甲子園見学でグラウンドでバットを振る早実の清宮一塁手(共同)
甲子園見学でグラウンドでバットを振る早実の清宮一塁手(共同)

8月2日=大阪入り

陸路で大阪に移動し、兵庫・尼崎市内の宿舎入り。東京から約3時間の移動の疲れも見せず、「WASEDA」のタオルを握り締めながら笑顔でバスを降りた。急きょ変更された宿舎の前ではテレビカメラ2台など報道陣約10人が待ち構えたが、大きな混乱はなし。午後6時15分、静かにロビーへ入った。

早実の“怪物”清宮が関西上陸

兵庫県にある宿舎に到着した早実・清宮(撮影・梅根麻紀)
兵庫県にある宿舎に到着した早実・清宮(撮影・梅根麻紀)

春季大会&西東京大会全打席

西東京大会は6試合すべて「3番一塁」で先発出場し20打数10安打10打点、打率5割の成績で甲子園出場に貢献。全試合で安打を放った

早実・清宮の打撃成績
早実・清宮の打撃成績
甲子園出場を決め歓喜する早実・清宮(左)。右は服部(撮影・江口和貴)
甲子園出場を決め歓喜する早実・清宮(左)。右は服部(撮影・江口和貴)

清宮幸太郎アラカルト

生まれ 1999年5月25日、東京都生まれ

身長 184センチ

体重 97キロ。中1当時183センチ94キロあった

足のサイズ 31センチ

投・打 右投・左打

ラグビー歴 小4まで。その後野球一本に

家族 父・母・弟。父はラグビーのトップリーグ、ヤマハ発動機の清宮克幸監督

世界最長弾 早実中1年の12年夏、東京北砂リトルの主砲として米で開催されたリトルリーグ世界選手権に出場。8月22日パナマ戦で、右翼席中段へ推定310フィート(約94メートル)の本塁打を放った。66回目の同大会史上最長のアーチは、米メディアに「モンスター・ホームラン」と形容された。この大会、5試合で打率6割6分7厘、3本塁打で世界一に貢献

“104マイル”投手 リトルの世界大会で、この年代では飛び抜けている80マイル(129キロ)の速球も話題に。米メディアで「投本間が短いリトルリーグ。体感では104マイル(167キロ)に相当する。ジャパニーズ・ベーブ・ルースだ」と、驚きとともに紹介された

中2で160メートル弾 13年12月15日、阪神掛布打撃コーディネーター(DC)が調布シニアの練習を視察。清宮がシート打撃で放った推定160メートルの場外弾に「清原、松井クラス」と大絶賛した

佑見て野球 06年夏の甲子園を観戦。「ラグビーも大好きでしたが、野球の方が勝負できる」

1300グラムバット 木製バットで日々ティー打撃を行う