佐賀大会で4強に進出し、2年連続4度目の甲子園出場を目指していた龍谷が22日、大会を辞退することを発表した。佐賀県高野連が受理した。前日21日、準々決勝の試合前に佐賀市内の野球部の部室から出火。現場からたばこの吸い殻約20本が見つかっていた。

 学校側はこの日、70人の部員全員を聞き取り調査し、6月中旬以降、3年生5人が日常的に喫煙していたことが発覚。うち3人はベンチ入りメンバーで、21日は4人が喫煙し、そのうち2人は試合にも出場したという。同校では同日、部員と保護者を集め、出場辞退を報告。泣き崩れた3年生もいたという。

 この日、再度現場検証した佐賀署などによると、たばこの吸い殻は蚊取り線香の缶の中に消された状態で捨てられており、出火原因はたばこではなく火をつけたままだった蚊取り線香の疑いがあるという。佐賀広域消防局によると出火は21日午前11時23分ごろで、部室の床や壁約15平方メートルが焼けた。同39分ごろに鎮火。準々決勝は午後1時30分に開始された。

 徳山誠一朗監督(37)は同校で生徒指導も担当しており「140年近い歴史がある学校の歴史と伝統を汚してしまい、本当に申し訳なく思っている」。野球部では原田淳部長(54)が2日に1度、部室を見回り、注意喚起してきたが、生徒を信用し、6月中旬以降はしていなかったという。

 佐賀県高野連によると、21日に行われた準々決勝で龍谷に敗れた鹿島の「繰り上げ4強進出」はなく、24日に予定される準決勝は対戦相手の唐津商の不戦勝が決定した。野球部は当面、活動を自粛するという。