昨春センバツ8強の高崎健康福祉大高崎(群馬)が明秀学園日立(茨城)を7回コールドで退けた。代名詞の機動力に加え、5番高山遼太郎外野手(1年)がスクイズを決めるなど4犠打で手堅く加点した。

 コールド勝ちを決めたのは5番のスクイズだった。6点リードの4回1死一、三塁。高山は2球目をコツンと三塁前に転がした。「3、4番と強打者が続いた後で、相手も『おっ』と思うかなって」。2ランなど2安打4打点を稼いだ3番安里樹羅(じゅら)内野手(2年)らの後で、相手バッテリーの意表を突く8点目を加えた。

 小技が「今の自分にできること」だった。今夏は主戦として期待されたが、腰を痛めて戦線離脱。秋の群馬大会もベンチを外れた。「関東大会で戻ってこいよ!」。仲間たちの言葉を信じて時を待った。そして約束通り、つかみ取ってくれた関東大会への切符。念願の初スタメンで中軸を任され、2打数2安打1打点の結果で応えた。

 モチベーションはマックスだ。腰痛の回復に加え、プロ野球では広島が日本一を手にしかけている。かつて広島、西武でプレーした父健一さん(45)は広島のスカウト。ドラフト直後で多忙のため“視察”はできなかったが「カープが波に乗っていると頑張れる。元プロの息子ってことをプレッシャーに感じたことは1度もないんです」。今日24日はセンバツ当確をかけて横浜と対戦する。大技小技、足技と何でもアリの健大打線で、高山がピリリと辛いアクセントになる。【鎌田良美】