東日本国際大昌平(福島3位)が7-0(8回コールド)でいわき光洋(福島2位)との同県決戦を制し、同校初の4強に進出した。

 フルスイングで、初の東北4強へ導いた。「福島のギータ」こと4番柳葉潤(やなぎは・ひろ)外野手(3年)が先制3ランを放ち、昌平が福島いわき対決を制した。初回1死一、三塁。甘く入った真ん中高めの直球を、ねじり切れるぐらい腰を回して右翼席に突き刺した。高校通算18本目の一撃は「先っぽだったけど入った。体が勝手に反応した」。2安打4打点を荒稼ぎし、今大会3試合で11打数7安打6打点。先行気味だった代名詞に実績が追い付き始めた。

 柳葉の豪打が、昌平打線を“水”を得た魚のように変貌させた。スタンドで観戦した父満さん(52)は息子の名前の由来を説明した。「柳葉は植物を連想させる名字なので、私と4人の息子(兄湧さん、双子の弟洸太さん、清陽さん)にはすべて水を意味する『さんずい』が入った漢字を使っています。水を与えて大きく育って欲しかった」。

 入部当初、柳葉(やなぎば)と名前を誤読され、一時期あだ名が「ギバちゃん」になったこともあった。だが今春に持ち味のフルスイングで9本塁打を量産し、代名詞「福島のギータ」が定着。2年春から4番に据えてきた元巨人の伊藤博康監督(47)は「スイングスピードが速いし、正確性もある。成長している」と賛辞を贈った。今日11日の八戸学院光星(青森3位)との準決勝を見据える柳葉も「優勝して、しっかり夏につなげたい」。いわき産ギータの快進撃は、まだまだ続く。【高橋洋平】