11日開幕の秋田大会で、大曲農太田分校が選手10人で3年ぶり4度目の初戦突破を目指す。

 選手8人の昨秋は矢島、雄勝と「3校連合」を組んで地区大会に出場。今春1年生2人が入部し、01年の創部時から守り続けてきた「夏単独出場」を継続させた。12日の初戦の相手は、やはり選手10人の二ツ井。大会後は1、2年生4人だけになり、今春就任した高橋恵二監督(60)は本年度限りで定年退職する。将来の統合校リストに挙げられているが、選手たちは固い絆で県高校球史に母校の名をしるす。

 条件は同じだ! 大曲農太田分校ナインが、二ツ井との「10人野球対決」に闘志を燃やす。だが、夏の大会で県内初の単独廃校ルールを適用する二ツ井には、第2シード能代松陽から有力1年生3人が助っ人として加入しているだけに侮れない。内野手兼任のエース高橋和希主将(3年)は「このチームでやれるのも最後。残り少ないけれど、まだ成長できる部分はあると思うので、悔いの残らないように全力でやりたい」と話した。

 大曲農OBの高橋監督が今春就任し、士気も高まった。現役時に内野手だった同監督は社会人野球も経験。15年まで母校の監督を務め、夏の大会では過去2度の4強実績がある。入学後、まだ夏白星のない選手たちは本年度限りで定年退職する高橋監督との「最初で最後の夏」に花を咲かせるつもりだ。

 昨夏先発5人が残り、高橋主将と猪本辰樹捕手(3年)は入学時からレギュラー。内野手から転向して今季、高橋主将とバッテリーを組む猪本辰は「相手バッターの気持ちになって嫌がるリードをしたい」という。今春の県南地区大会2回戦は6-16の7回コールドで横手城南に初戦敗退。初回に失策絡みで4失点し、計8失策、捕逸4と守備に課題を残した。故障者も抱える高橋監督は「背番号どおりにはいかない」と選手に複数ポジションを要求。「失点は覚悟している。むだな点を与えずに打ち勝ちたい」と基本練習を徹底指導している。