第99回全国高校野球静岡大会が今日8日、静岡・草薙球場で開幕する。午後1時から開会式、同2時50分から常葉大橘-浜松日体の開幕戦がプレーボール。常葉大橘は、50メートル6秒0の出口愛稀主将(3年)を中心とした機動力で5年ぶりの甲子園を狙う。7日には草薙球場で開会式リハーサルが行われた。

 出口主将ら常葉大橘ナインの「心の準備」は、十分に整っている。今春、県大会初戦で市沼津に敗れてノーシードとなった時点で、八木道政監督(61)から「目標は開幕戦」と言われ、それが現実となったからだ。今月3日には、試合と同じ時間帯に草薙球場で練習。気温が上がる中、大勢の観客が集まる本番をイメージした。

 出口 試合が待ち遠しいです。チームとして「1試合5盗塁」を目標に、少しでも先の塁を狙う走塁を心がけていきたいです。

 チーム俊足NO・1出口のほかにも、紅林文也内野手(2年)佐藤大輔内野手(2年)進士育之助内野手(3年)ら走力のある選手がそろい、5盗塁は十分狙える数字だ。5月下旬に1番から3番になった出口は、浜松日体の印象について「投手は継投してくると思うので、術中にはまらないようにしたいです。チャンスで打てるように、きれいなヒットでなくてもいいので泥臭くやっていきたいです」と話している。

 静岡市商(現駿河総合)、富士以来、3度目の開幕戦となる八木監督は「やっぱり開幕戦はいいね。緊張するのは仕方ない。締まった試合をやりたいですね」と言った。昨夏は4強で涙をのんだ常葉大橘。大一番に勝って、5年ぶりの聖地への足掛かりにしたい。【鈴木正章】