プロ注目の常磐エース、末広篤弥投手(3年)は1失点完投で初戦を突破した。

 プロ9球団が注目する最速146キロ右腕の常磐・末広が、あこがれる巨人菅野ばりの投球術で初戦突破に導いた。日頃から菅野の巧みにカウントを重ねる配球を動画でチェックするが、試合前日も「スライダーの出し入れや直球の配球を見て生かしました」と入念に準備。1失点完投で勝利に導いた。

 9回2死一塁では、絶好調だった縦に落ちる高速スライダーで4番を二ゴロに仕留めた。1-1から3点を勝ち越した直後の7回裏も「1点もやらないつもりでスイッチが入りました」。すべて強気の内角攻めで3者凡退で片付けるなど124球、被安打4の粘投を見せた。

 184センチ、84キロのパワフルな体で、打っても活躍した。1点を追う5回1死から「自分のバットで何とかしたかった」と、中前打で出塁。2死後の中越え二塁打で同点のホームを踏んだ。さらには8回1死一、二塁で右前打を放ち、貴重な追加点を奪った。東京・岩倉の監督時代、97年夏甲子園に導いた就任3年目の磯口洋成監督(68)は「大きく崩れることなく粘り強く投げてくれた」とたたえた。

 順当に勝ち進めば4回戦でプロ注目の高木を擁す真颯館とぶつかる。「真っすぐで押してしっかり抑えたい」。次の京都戦でも死力を尽くし、シード撃破に弾みをつける。【菊川光一】