初芝橋本が粉河に逆転で、延長10回サヨナラ勝ちした。

 ソフトバンク黒瀬の「後継者」がチームの窮地を救った。初回に2点を先制され、直後に1点をかえしたが、そこから試合は動かなかった。1-2のまま迎えた9回。先頭の6番北田賢吾内野手(3年)が左翼へ同点のソロ本塁打を放った。「あまり覚えていないです。感触は良かったです」と無我夢中で振り抜いた1発でチームは盛り返した。試合は延長10回までもつれ、最後は2死二、三塁で、北田の打球を相手三塁手が失策。三塁走者が生還し3-2でサヨナラ勝ちとなった。

 この日の同点本塁打で通算33号とした北田は、1年時から4番に座っていた。北田の前の4番は、高校時代に通算97本塁打を放ったソフトバンク黒瀬健太内野手(19)。「前の(4番)の方がすごい方だったので」と最初はプレッシャーも感じていた。試合で打てずに笑顔を無くしていた時、黒瀬から言われた「そんなんでチームの4番にいたらあかん」の教えは今も胸に残る。

 芝野恵介監督(37)の「ずっと4番で打てていなくて、ちょっと楽な打順にしようと」という考えから、今大会前に打順が6番になった。「チームのために出来るなら」と打順にこだわらなかったが、それでもチームを救ったのは“元4番”の一振りだった。【磯綾乃】