大阪桐蔭は2番福井章吾捕手(3年)の先制弾などで快勝。夏30勝の節目とし、史上初の2度目の春夏連覇へ好発進した。

 幕開けは豪快だった。米子松蔭を3者凡退に抑えた1回裏1死。2番福井が2球目を振り抜くと、打球は右翼ポール際に吸い込まれた。「先制パンチが大事だと思っていた。ホームランを狙っていたわけではないけど、いい形で入って良かった。守備で抑えるのも1つの先制パンチだと思っています」とダブルパンチで、初回から圧倒した。

 今夏からの珍しい「2番捕手」は西谷浩一監督(47)の発案だ。「バッティングが調子いいので、1番の役割も出来る。1番の藤原が倒れても長打が狙えるし、(藤原が出たら)送ることも出来る。いろんなバリエーションが出来る」という監督の期待に応えるように、府大会ではチームトップの打率6割を残した。

 今春のセンバツは、大会直前に正捕手だった岩本が骨折し、代わる形で捕手を務めた。センバツ後、西谷監督に提出する野球ノートに「夏は背番号2を付けて絶対に甲子園に出たい」と書いた。投手の性格を見極めて、助言は直接的に言うか、遠回しか、ほめるか、と使い分ける。打撃練習中も時間を見つけてはブルペンに行き、コミュニケーションを取った。

 12年春夏連覇時の正捕手である西武森は憧れの存在。その森から5年連続となる主将の甲子園での本塁打は、大阪桐蔭の伝統だ。「キャプテンとしての意地で打っている。技術はないので気持ちで打っています」と引き継いだ。この日観戦した、12年時のエース・阪神藤浪からは「2017 OSAKA CHAMPION」と胸に書かれた紺色のTシャツがチーム全員に贈られた。偉大な先輩に続けと、好発進した。【磯綾乃】

 ◆福井章吾(ふくい・しょうご)1999年(平11)4月23日生まれ、大阪府出身。小1から「豊中リトルシニア」で野球を始める。豊中第五中では「箕面ボーイズ」に所属し、主に捕手と内野手。大阪桐蔭では2年春に初めてベンチ入り。50メートル走6・5秒。遠投90メートル。高校通算7本。168センチ、73キロ。右投げ左打ち。

 ◆センバツV校の白星スタート センバツ優勝の大阪桐蔭が勝利。春の優勝校が夏に出場するのは45度目で、初戦成績は29勝16敗。