「秘密兵器」で初優勝へ王手をかける! 第99回全国高校野球選手権大会は今日22日、準決勝2試合が甲子園で行われる。天理(奈良)と対戦する広陵(広島)は休養日の21日、兵庫・西宮市内のグラウンドで調整。シートノックやフリー打撃などで約2時間、汗を流した。夏の準決勝進出は準優勝した07年以来10年ぶりで、久々の進撃には約1年前に導入した「秘密兵器」の効果があった。

 今秋ドラフト1位候補の中村奨成(しょうせい)捕手(3年)は、フリー打撃の合間にタブレット端末を何度ものぞいた。「カチャカチャバットを振って、(バットの)軌道がしっかりしているか見てました」。中井惇一コーチに「体が開き気味だ」と言われた中村は何度もスイングしては、動画で確認。打撃強化の「秘密兵器」を振り込んで、バッティングフォームの最終調整をしていた。

 カチャカチャバットとは、「カウンタースイング」という名のフォーム修正用バットだ。グリップとヘッドをつないでいるパイプに可動式の木片が2個ついている。スイングが鋭いと「カチ」という音がするが、体勢を崩して振ると「カチカチ」と2回音がする。このバットで練習すると、下半身主導でスイングし、上半身が付いてくるようなフォームになり、力んでないのに強いインパクトになるという。