昨年、OBの楽天吉持と日本ハム上原から20本寄贈されてから、練習に取り入れた。今では約30本に増え、中井哲之監督(55)も「うちはみんな、これでやりよるけ」と信頼を寄せている道具だ。練習当初はナインは苦戦したが、上半身と下半身のバランスが良くなり、打球の軌道が変わり、飛距離が伸びるようになった。

 その効果は中村にも表れ、今春から特に飛距離が伸びるようになった。同校の両翼91・5メートルのグラウンドの右中間には、高さ約15メートルのネットがある。OBの丸子達也(早大-JR東日本)が打球を飛ばしすぎたため設置されたもので、その丸子ネットを越えたら飛距離140メートルといわれる。中村の打球は丸子ネットの後ろにある約20メートルの木も越えることも度々あり、中村も「バッティングが良くなった」と実感している。

 この日も「秘密兵器」で調整した今大会54安打の強力打線が、万全の状態で初の日本一に挑む。【中島万季】