23日開幕のセンバツに出場する静岡が、大阪入りしてから初の対外試合を行い、太成学院大高(大阪)に連勝した。主力組で臨んだ第1試合を10-4。2年生ただ1人のレギュラー斎藤来音外野手が先制本塁打を放つなど、10安打で効率よく加点。投げては先発のエース春翔一朗投手(3年)が5回を3失点にまとめた。控え組で挑んだ第2試合も21安打を記録し、23-3で大勝した。

 静高の上位打線が機能した。1回裏2死走者なし。斎藤来が相手左腕の内角高めスライダーを、94メートル先の右翼スタンドに運んだ。

 斎藤来 3人で終わらせないと思っていました。2ストライクから内角に対応できた。ボールも見えているし、感覚もいいです。

 今春から3番に座る斎藤来は第2打席でもキッチリと犠飛を放って2打点を記録。その斎藤来と入れ替わりで2番を務める黒岩陽介主将(3年)が2安打1打点でつなぎ役を担うと、前日18日の甲子園練習で柵越えを放った1番村松開人内野手(3年)も3安打をマーク。4回裏無死二塁の場面では意表を突くセーフティーバントを決め「三塁のポジションを見て『いける』と確信しました。打線はみな積極的で、雰囲気もよかったです」と笑顔。好調な上位3人で6安打を放ち、チームをけん引した。

 投手陣もまずまずの調整ぶりを見せた。エース春が変化球を中心にテンポよく打たせて取る投球。5回に3点本塁打を浴びたが、「内角高めのスライダーが甘く入りました。右打者のインコースへの攻め方など、確認したいことの8割は出来たので、残り2割を試合の中で修正していきたい」と冷静だ。2番手の鈴木翔也投手(3年)は3回1失点。最後は草薙誠投手(3年)が、危なげない内容で1回を無失点に抑えた。

 今季ここまでの対外試合を6連勝とした栗林俊輔監督(45)は「打つ方は積極的に振れているので、いいのかなと。春も完璧とはいきませんが、いいと思います」と満足そうな表情。24日の駒大苫小牧(北海道)との初戦へ向け、静高が順調な仕上がりを見せている。【鈴木正章】