元プロ野球選手の中尾孝義監督(62)率いる専大北上が、8-2で黒沢尻北に快勝発進した。

 序盤は走塁ミスなどで苦戦したものの、1-2の6回裏1死三塁から登板したエース右腕碓井康平(3年)が登板して流れを変えた。相手スクイズに高め直球で空振りを奪い危機を脱すると、6者連続三振。自己最速となる最速138キロもマークし「冬場に体幹を鍛えた成果が出ていると思う。球が速くなった感覚はあるし、伸びも良くなった。まずはこの春に最低でも東北大会に出たい。東北でどのくらい通用するのかが分かれば、夏に自信を持って臨めると思う」と目標を定めた。

 打撃陣も7回表に阿部樹(いつき)内野手(3年)の公式戦初となる左越え本塁打を放って同点に追いつくと、一気に大量得点。ホームランボールも手にし「両親にプレゼントしたいです。レフトを越えればいいなあと思ったけれど、風にも乗ってくれました。練習試合を含めて、中尾監督とひと冬を越して接戦を勝ちきれる自信がついてきました」と笑顔を見せた。

 昨年3月に就任し、2年目を迎えた中尾監督も「スタートはヒヤヒヤですね。冬場の練習の成果も出て、意識は高くなっていますよ」。昨年は県大会2回戦止まりで結果には結びつかなかったが、飛躍に向けて課題の中にも手応えを得ていた。【鎌田直秀】