桐生商は打線がつながり勢多農林に勝ち、初戦を突破した。

 0-0の2回無死二塁、オープンスタンスで構える疋田理透外野手(2年)が右越え二塁打を放ち、先制した。

 今年2月から、元ロッテで銚子商時代に甲子園で活躍した沢井良輔氏(40)がコーチに就任。選手1人1人に合わせた打撃フォームを指導する。栃木県内で会社員をしながら、夕方の練習や練習試合に駆けつける。「全員、手や足の長さが違うように打撃も変わる。分かりやすく教えることを心がけています」。この日は全9安打中6安打が長打で、コーチの招聘(しょうへい)に動いた武藤監督は「疋田のフォームは、八重樫(幸雄)さんみたいでしょ。沢井コーチは個人によって指導が違って、芽が出た選手もいる」と信頼を寄せる。次戦は明和県央と、14日に対戦予定。スタンドから選手の勇姿を見た沢井コーチは「強くなりました。1日も長く、3年生と試合がしたい」と選手を笑顔で迎えた。

 ◆沢井良輔(さわい・りょうすけ)1978年(昭53)3月9日、千葉県出身。銚子商3年時に、4番でセンバツ準優勝。95年ドラフト1位でロッテ入団。05年退団。社会人野球サウザンリーフ市原などでプレーし、09年に引退。会社員をしながら昨年は母校の銚子商でコーチを務め、今年2月から桐生商へ。