相模原が、8回コールドで2回戦に進んだ。

 主将の小島開陸外野手(3年)が、主導権を握る公式戦初アーチを放った。2-0の3回1死、右アンダースロー鈴木のボールを限界まで引き付けて、振り抜いた。腰の回転を利かせた打球は、右翼芝生席に届く大会5号ソロ。小島は「崩されたスイングだったので、行かないかなと思ったのに、行きました。最近、崩されても飛距離が出るようになった。トレーニングの成果が出ていると思います」と笑顔で振り返った。

 試合後は横浜市立川上北小6年時の元田教諭から激励を受けた。「公式戦は初めてで、通算だと8本目の本塁打です。両親と祖父、小学校の恩師に見てもらえて良かった。元田先生も来てくれるなんて、ビックリしました」と、あらためて周囲の支えに感謝した。

 春の県大会は9番ライトで、好調な打撃とリーダーシップを評価され、今大会直前に4番を任された。佐相真澄監督(59)は「小島の本塁打が大きかった。あの3点目が大きかった。4番に抜てきしたかいがありました」と話し、初戦突破にホッとした表情。

 弟の歩空(ほたか)捕手は1年生ながら名門・横浜のベンチメンバーに入った。小島は「弟は南神奈川。南北神奈川の代表として、兄弟で甲子園に行きたい」と鋭い目で話した。

 開陸と書いて「かいり」と読む。誰も歩いたことのない道を切り開く-。フロンティアになれとの願いを込めて名付けられたという。神奈川県の県立高校は、1951年(昭26)希望ケ丘を最後に甲子園出場がない。67年ぶりの快挙へ向けた挑戦が、小島主将の1発からスタートした。