厚木西が、4年ぶりに1回戦を突破した。

 3回1死一、二塁、1番小林亮太内野手(3年)が、左中間に先制2点適時打を放った。1死走者なしから、8番・飯島健太捕手(3年)、9番・西野鷹音外野手(3年)の連打で作ったチャンスを、3連打でものにした。二塁に到達すると、一塁側ベンチに向かってガッツポーズを突き上げた。小林亮は「校歌を歌えたのが本当にうれしいです」と、待望の勝利をかみしめた。

 稲本祥悟監督(36)も「(勝つのは)4年ぶりなんです。子供たちが、いつも以上によくやってくれました。今までの代も力がなかったわけじゃないんです。今年の代は、力を発揮する『強さ』をもっているんです」と感激して話した。

 対戦相手が決まってから、伊勢原エース石黒駿助投手(3年)の決め球のスライダー対策を講じてきた。小林亮は「サードの青木と互いにスライダーを投げ合って、打撃練習をしてきました。そのスライダーを打てた。練習の成果がでました」と胸を張った。稲本監督も「スライダーを打つ練習をして、それが出来るのがこの代なんです」と、教え子たちの成長がうれしそう。

 2004年夏ベスト8進出を誇る同校だが、3年生が引退すると部員6人(選手5人、マネジャー1人)となってしまう。小林亮は「来年、連合チームだと、後輩の試合を見に行っても悲しい。この夏にかかっています」と、同校の野球熱をもり立てる夏にするつもりだ。