3年生の右腕トリオが9回18Kの奪三振ショーを披露した。東北学院が亘理を7-0で下し、快勝発進した。3投手が3安打無四球で、二塁も踏ませず無失点リレー。先発の大沼昌平が5回1安打10K、2番手でエースの加賀谷光汰朗が2回無安打5Kと、ともに180センチ超の「ツインタワー」が剛腕を見せつけた。3番手で技巧派サイドの坂本修平も2回2安打3Kで締めた。

 球威自慢の無名右腕から、奪三振ショーは派手に開演した。背番号10の大沼は初回から、183センチ長身に93キロの体重を乗せた重い直球で押した。2死から詰まった一打を中前に運ばれたが、アウトすべて三振の立ち上がり。2回以降は3回の3者三振など、12者連続で抑えた。毎回の10Kはすべて空振りで奪取した。

 「ボール球を振ってくれて助かった」という高め直球が、効果的なつり球になった。71球中21球が空振り。最速は「1度も測ったことがない」と不明ながら、球威なら「スピードより切れ重視です」と、最速141キロのエース加賀谷を上回る。亘理は振り遅れる打者が大半で、当てても差し込まれた。

 6回からは、背番号1が復活マウンドに上がった。加賀谷も186センチ、85キロの大型右腕で、成田中3年時には軟式の県選抜入りした実力派だが、右肘痛の影響で昨秋9月20日以来の公式戦登板だった。直前の練習試合も1イニングを投げただけで、「何の準備もないまま、本当にぶっつけ本番」ながら、同1死から降板するまで5連続K。「大沼が三振をいっぱい取っていたので、その勢いに乗らせてもらった。三振を狙って、腕を振れました」と、8回から背番号11の坂本に終幕のキャストを渡した。

 好投トリオに報いようと、守備陣も堅守で二塁を踏ませなかった。渡辺徹監督(47)は「無失策で四球も0。今までなら考えられない。今日は褒めてあげないと」。今夏はこの3投手での継投を決めており、「副主将でチームを引っ張り、ピンチでは頼りになる。加賀谷の1番に迷いはありませんでした」と、エースの試運転にも合格点だった。最高の舞台初日を飾って、21日に春県3位のシード利府との大一番に向かう。【中島正好】