高知商の強力打線が2試合連続で爆発し、夏25年ぶりの3回戦進出を果たした。初回、西村の適時三塁打で先制。2回には打者一巡の猛攻で一挙7得点。壮絶な打ち合いとなった初戦の山梨学院戦を14-12で制した打線は、2試合連続の2桁得点と絶好調だ。

 けん引したのは7番藤田だ。「春に打てなくて『打線の切れ目』と言われ悔しかった。自分が得点源になろうと思った」。悔しさを晴らすように、高知大会では打率5割7分1厘。この試合でも、3安打4打点と大暴れした。

 上田修身監督(56)は試合後、うれしそうに「超えられちゃいましたね」と話した。宿舎のホワイトボードには「上田の夏を超えろ」と記されている。自身が高知商3年時の80年、センバツは優勝したが、夏の甲子園では2回戦敗退。夏の3回戦進出を選手に託し「速いボールに振り負けないことを徹底させた」と打線を磨いてきた成果が、聖地で存分に発揮されている。3回戦の相手は同じ四国の済美。上田監督は「試合は1回もやったことがないが、最後まで残れるように頑張る」。ミラクル勝利を飾った愛媛代表も強打で打破する決意だ。【鶴屋健太】