初出場初優勝を決めた札幌大谷・船尾隆広監督は選手の「考える力」を信じた。

1点を追う7回1死。7番清水がチーム4安打目となる中前打で出塁し、そこから長短3安打で逆転した。6回までわずか3安打だったが、船尾監督は狙い球の指示はしなかったという。「スライダーと直球、どっちも待っていたらどっちも打てない。どっちを打つか考えて、一振りで決め手きなさいと言いました」。甘く入ったスライダー、直球とそれぞれが判断して逆転劇が生まれた。「昔は狙い球を絞らせたこともありましたが、選手たちが堅くなってボール球を振ったりしてしまった。この子たちは、中学から気心知れた仲間で、前向き。新チームになってからは、打席での判断はほぼフリーにしています」。野手陣がしっかりチャンスを物にし、1安打完投した西原健太投手(2年)の好投に応えた。