大器に覚醒の予感! 履正社は2年ぶり8度目のセンバツで悲願の初Vを狙う。14年春決勝は龍谷大平安、17年春決勝は大阪桐蔭に打力の差で敗れ、「三度目の正直」を期す大会。岡田龍生監督(57)が「振れるチームとして臨みたい」と腕ぶす打線の軸は高校通算23発の188センチ、97キロ、プロ注目の4番井上広大(こうた)外野手(2年)だ。

昨秋は公式戦3発で近畿大会4強まで導いた後、右膝を手術した。実は1年冬に右膝蓋腱炎(みぎしつがいけんえん)を発症し、1年間痛みをこらえ続けていた。満を持して手術後は「今までは踏ん張りがきかない部分もあったけど、押し込みで打球が飛ぶ感覚がある」。体重もウエートトレや食事で秋から5キロ増やし、聖地バックスクリーンへの特大弾をもくろむ。

昨年甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭が選ばれず、大阪勢1校で臨む大会。打線は昨秋公式戦10戦で計11発を誇り、プロ注目の最速145キロ左腕エース清水大成投手(2年)を擁する。2年前のセンバツ決勝を生観戦した井上は「なんとしても日本一に」と気合十分だ。甲子園を本拠地とする阪神では、指揮官が桜宮(大阪)コーチ時代に指導した矢野新監督が昨秋就任。教え子からもエネルギーをもらい、悲願達成へまい進する。【佐井陽介】