3ステップ選考で秋春連覇を目指す。第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)に初出場する札幌大谷が15日から鹿児島1次合宿に出発する。全56選手が参加し、船尾隆広監督(47)は主力、控え選手関係なく動きをチェックする方針。和歌山2次合宿は30人程度に絞り込み、実戦主体で仕上げに入る。1次合宿までの道内での筋力アップと2度の合宿の3段階で戦力を見極め、最終登録18人を決める。1月31日には、同校で後援会設立総会が行われた。

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日本一メンバーも含め、一から競わせ、進化を図る。鹿児島1次合宿に向け船尾監督は「予想以上に体をつくってきている。そこを土台に土の上でどう動けるか。鹿児島は全員参加。56人でよーいドン、という感じで考えている」と話した。2月中旬までは道内での体作りが中心。この間鍛えた筋力を生かし、土のグラウンドでしっかり動けるか見定めるのが“鹿児島テスト”だ。明治神宮大会優勝メンバー18人も、同じスタートラインに並べ、5泊6日で、動きの質を判断する。

「鹿児島は守備や走塁など、神宮大会で出た課題をどこまで克服できているかを見極めたい」。2月18日がセンバツの1次登録のため、鹿児島合宿出発前に、暫定的に18人を定める。「この時点でのベースは神宮大会のメンバーに近いが、合宿でのプレー次第で、入れ替えが必要かを考える」。神宮でベンチ外の選手も、仕上がりの良さを示した選手は積極的に抜てきされ、3月10日からの和歌山合宿では、30人程度に絞られる。

最終テストの和歌山合宿は、3月15日の最終登録まで、紅白戦や練習試合を中心に実戦形式で競い合う。ここで、2月に暫定的に決めた18人を再調整。最終メンバーが決まる。神宮大会決勝で逆転打を放つも、大会後に左あばら骨骨折が判明し8日に復帰したばかりの北本壮一朗遊撃手(2年)は「出遅れた分、しっかり調子を上げないと」と気を引き締めた。

道内での土台作りに、基本動作と課題修正を見る鹿児島、実戦的な和歌山と2回の合宿。残り約50日での動きを総体的に見て、平等に判断していく。秋の日本一にあぐらをかくことなくチーム内競争を続け、甲子園でも勝ち上がれる集団へステップアップさせる。【永野高輔】

◆札幌大谷の後援会設立総会が行われ、目標額を3250万円に設定し、保護者、卒業生、関連学園などから寄付金を募っていくことが発表された。この日から学園の公式サイトに後援会のページが設けられ、口座番号や寄付方法など詳細がアップされ、活動が開始された。船尾監督は「しっかり調整をして期待にこたえられるようにしたい。お力をいただき、センバツを盛り上げたい」とあいさつした。