浜松開誠館(静岡)の主砲が、今秋のドラフト候補に急浮上した。高校野球の練習試合が16日、県内各地で行われ、浜松市内では浜松開誠館が駿河総合とのダブルヘッダーを10-7、14-5で制し、2連勝した。4番青木蓮太朗主将(3年)が、2試合で2本塁打を含む6安打4打点の活躍。プロ3球団のスカウトの前で強烈な存在感を見せつけた。

好調な浜松開誠館打線のけん引役が、豪快なスイングを披露した。第1試合の4回。この日3度目の打席に立った青木は、まん中高めの変化球をとらえ、左中間へ高校通算14号を放った。第2試合の初回2死二塁では、左翼へ打った瞬間にわかる特大弾。「どちらも1球でとらえることができた。練習の成果が出ました」と笑顔を見せた。

駿河総合の紅林弘太郎内野手(3年)を目当てにオリックス、ヤクルト、巨人のスカウトが集まったが、紅林は背中の痛みで欠場。そんな中で青木は、スカウト陣に強烈な印象を与えた。元巨人選手で同スカウトの円谷英俊氏(34)は「あの体のサイズであの飛距離はすごい。肩も強くて将来性を感じる。掘り出し物を見つけた気分です」と高評価。プロを志望する青木は「事前にスカウトの方が来ることは聞かされていたので、アピールできてうれしい」と胸を張った。

打撃開眼は、元スター選手によるものだ。青木が入学した2017年4月、プロ野球近鉄などで活躍した中村紀洋氏(45)が浜松開誠館野球部非常勤コーチに就任。それを青木は「運命だと思った」という。その後は、月1、2回訪れる中村氏の指導を受け、スイング時の無駄な動きを修正。同氏の現役時代と似たフォーム、スイングを身につけ、打力向上を果たした。

9日の城南静岡との練習試合でも2本塁打。好調を維持したまま春季大会に臨めそうだ。「目標は県大会を優勝して夏の第1シードになること。勝つことを優先しながら、プロへのアピールもしていきたい」と力を込めた。【河合萌彦】

◆青木蓮太朗(あおき・れんたろう)2001年(平13)12月15日、横浜市生まれ。小学2年時に川和ドルフィンズで野球を始め、中学時代は都筑中央ボーイズに所属。浜松開誠館高では1年秋からレギュラー。2年春に遊撃へコンバート。高校通算15本塁打。右投げ右打ち。181センチ、77キロ。家族は両親、姉、弟。血液型A。