【第2試合(11:30)広陵(広島)-八戸学院光星(青森)】

春は6年ぶり24度目出場の広陵。昨夏の甲子園経験者が10人残る現チームは、練習試合を含め、発足から28連勝で中国大会を制した。投打ともに総合力が高い。3度のセンバツVを誇り「春の広陵」と言われるが、今大会も優勝候補の一角と目される。

投手陣は層が厚く、中心はエース河野佳投手(3年)。最速148キロで、1分間あたりの回転数が約2500という驚異の数字をたたき出すという直球が最大の武器。軟投派の石原勇輝投手、最速142キロ左腕の森勝哉投手、制球力が武器の高太一投手(いずれも3年)らさまざまなタイプの投手が河野の脇を固める。それぞれの持ち味を生かし、継投で無駄な失点を防ぎたい。

打線はつなぐ野球が持ち味。バントやエンドランなど小技を絡め機動力も発揮できる。4番に座る中村楓大(ふうだい)外野手(3年)は昨秋打率3割6分4厘で12打点。思い切りの良さが魅力で高校通算20発の強打者だ。中村と同じく44打数16安打だった3番宗山塁内野手(2年)も好打者。6番藤井孝太外野手(3年)ら下位打線もしぶとい攻撃ができる。

◆広陵の主なOB 阪神上本博紀、広島野村祐輔、巨人小林誠司

3年ぶり10度目出場の八戸学院光星は、東北勢初制覇に挑む。昨夏の甲子園メンバーが5人、青森県大会も含めると計9人が残り、経験値は高い。昨秋の明治神宮大会は東北王者として全国8強。11年夏から3季連続準優勝を導いた仲井宗基監督(48)も「本気で狙いにいくと選手に伝えています」と頂点への意識を浸透させている。

最大の長所は打線の爆発力だ。東北王者となった昨秋、明治神宮大会を含めた公式戦全10戦のチーム打率3割5分7厘は、今大会出場32校中で5位。中軸は俊足巧打で「坂本2世」と称されるプロ注目の3番・武岡龍世内野手(3年)。同校で1年春から主力となったのは巨人坂本勇人(30)以来。東北大会決勝の先制弾や、明治神宮大会でバックスクリーンに本塁打を放つなど、大舞台にも強い遊撃手だ。4番・近藤遼一内野手(3年)もチーム最多20打点。明治神宮大会で左翼中段に運ぶなど長打力も魅力の1つ。50メートル走5秒9の2番・島袋翔斗外野手(3年)らの機動力も絡め、得点を量産する。

課題は投手力。4試合に完投し、勝負どころでもリリーフした右腕・後藤丈海投手(3年)が中心となる。三塁手と兼務する下山昂大内野手(3年)も右サイドから勢いある投球を見せる。今冬、投手陣は球速10キロ増を目標に掲げて、下半身中心に筋力強化を図ってきた。ベンチ入り4人それぞれがレベルアップした。

現在、春夏通じて出場10大会連続初戦突破中。明治神宮大会でも東邦(愛知)との1回戦で初回に5得点を挙げるなど、先制パンチが勝敗のカギを握る。

◆八戸学院光星の主なOB 巨人坂本勇人、ロッテ田村龍弘、阪神北條史也