大船渡(岩手)の最速163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)の「令和初投げ」は3日が濃厚となった。1日の春季岩手県大会沿岸南地区予選が雨天中止。当初2日の予定だった大船渡の初戦も、3日(午前9時試合開始)に順延した。

会場は釜石市山あいの平田運動公園野球場。来場者3000人の想定でフィーバーに備える。対策は多岐にわたる。同市体育協会・下村恵寿事務局長(69)は1日早朝は外野芝生席で“落とし物”拾いに励んだ。「シカの(ふん)ですよ。たくさん落ちてました」。

もともとニホンジカの多いエリア。1日の朝8時前にも球場右翼後方の国道沿いに4頭のシカがいた。「彼らは天然芝の新芽が大好きなんです」。たくさん食べて、出す。「人慣れしているし、試合中に来ることもある」と下村氏は話す。

高野連関係者によると、特別天然記念物のニホンカモシカやタヌキ、キツネも球場周辺で目撃情報があるようだ。3000人の人間のみならず、野生動物たちも歴史的快速球をシカと見届ける…かもしれない。【金子真仁】