春季高校野球東北大会が6日、荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがたなどで開幕する。

4年ぶり11度目出場の鶴岡東(山形1位)は強打に機動力も絡めて県大会4試合で38得点。出場18校中最高の1試合平均9・5得点を誇り、東北最強打線を証明して頂点に立つつもりだ。5日は各校が初戦の試合会場で公式練習を実施。中心打者らが本番に向けて調整した。

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鶴岡東のリードオフマン河野宏貴内野手(3年)が、得点量産を導く。「1番遊撃」として、今春の公式戦と練習試合で打率5割1分5厘とチーム首位打者。「安打でも四球でも自分が塁に出ることが重要。県大会ではチームとして打てたけれど、飛球ではなく、しっかり強いゴロの意識が、相手を上回れた部分」。長打ではなく、勝負どころでの単打の積み重ねで、相手投手を追い詰めてきた。

県大会2戦連続7回コールド発進の中、いずれも無安打だった河野の発奮材料は、下宿先の壁に掲載してある「全選手打撃一覧」だった。学校でのテストは「少し苦手」と謙遜(けんそん)するが、野球の“成績表”は打率だけでなく出塁率など“各教科”で優秀。「表を見ると競争意識に火が付きます。今はすごく良い状態です。夏に向けて、勝つだけでなく内容にもこだわっていきたい」。常にアウトやストライクカウントを想定して打撃練習を行うなど本番に臨む“勉強”も仲間を率先している。

初戦は明日7日の2回戦で、盛岡大付(岩手3位)-日大東北(福島3位)の勝者と対戦する。県大会で打率5割、8打点の丸山蓮投手兼外野手(3年)も「優勝したい。目の前の試合を大事に戦います」。庄内地区大会を含め、今春の公式戦出場は30人を超える。投打に層の厚さを増した山形王者が、チーム内で切磋琢磨(せっさたくま)し、東北NO・1の優等生に駆け上がる。【鎌田直秀】