東北学院(宮城3位)が初出場対決となった山形学院(山形3位)との開幕戦を制し、学校創立133年目の歴史的1勝を挙げた。

3回裏に小林玲大内野手(3年)の投手強襲2点適時打や佐藤奎斗内野手(3年)の右中間2点本塁打などで一挙7得点。6回裏にも小林の右中間適時三塁打で加点し、10-3の7回コールド勝ちした。7日の2回戦では甲子園常連の花巻東(岩手1位)に挑む。

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東北学院ナインが初の東北大会で、校歌を大声で歌った。ベンチ入り20人だけでなく、スタンドの仲間、父母、卒業生、学校関係者、OBの渡辺徹監督(48)も1つになって、喜びを分かち合った。主将としてチームをまとめ、2安打4打点の活躍で勝利を導いた小林は「東北大会1勝で学校の歴史を刻めた。OBの方々が築いてきたものを受け継いで初戦突破できたことは大きい。会場のボルテージを感じながら、最後まで集中して戦えたと思う」。3回には相手左翼手の落球で同点に追いつくと、連打でたたみかけた。6回にも3連打で試合を決めた。

昨秋の宮城県大会2回戦で古川に敗れ、8強入りを逃したことがチームの意識を変えた。小林主将を中心に選手ミーティングを重ねた。小林は「何かが足りないと感じた。目標は甲子園なのですが、はっきりしていなかった」。甲子園に行くためには何が必要か。練習の質はどうするべきか。練習前には甲子園出場への意思を確認し続け、多くの選手が野球ノートの表紙に「甲子園」と黒いマジックで太く書き込んだ。

文武両道の校則もあり、平日の練習は長くても3時間弱。休日でも5時間程度。工夫を凝らして鍛えてきたが、今春の地区大会決勝で仙台育英に5回コールド1-13と大敗したことで、現状も認識。さらに意識は高まった。「育英に勝つという甲子園へのラインが明確に見つかったことがプラス。強い気持ちで戦えるようになったし、チームが1つになれたことが自分たちの一番の強みです」。点を取られたら、すぐに取り返した集中力は、一体感の象徴だった。

次は花巻東に挑戦する。「名前のある相手に失うものは何もない。夏の大会への弾みにしたい」。1人1人の力を結集し、必至に食らいついて見せる。【鎌田直秀】