181チームが集う激戦区、神奈川の幕が開けた。開幕戦で昨夏南神奈川8強の金沢が6-1で津久井浜を破り、令和1番星を挙げた。大内太郎投手(2年)が5安打1失点完投。昨秋就任した吉田斉監督(34)に夏1勝をもたらした。

肌寒い雨の中でも、大内は集中力を切らさなかった。昨夏2回戦と同じ津久井浜が相手。緩急を駆使した投球でリベンジに燃える相手を返り討ちにし、「雨は気にならなかったです。ストライク先行で打たせて取る投球ができて良かった」と笑顔がはじけた。

横浜高出身の吉田監督にとっても負けられない一戦だった。始球式で恩師となる前横浜監督の渡辺元智氏(74)が、ユニホーム姿で見事なストライク投球を披露。ベンチ前で直立不動で見守った吉田監督は「監督の始球式に花を添えられて良かった。やはりユニホーム姿が似合いますね」とほほ笑んだ。3年が4人だけの若いチームだが「開幕戦という特別意識もなく、選手はぶれずに、普段通りの初戦というイメージで戦えた」という。次戦は13日、第1シード鎌倉学園が相手。「失うものは何もない。当たって砕けないように頑張ります」。新任監督が若いチームで快進撃を目指す。【鈴木正章】