プロ注目の前橋商・井上温人(はると)投手(3年)が先発。8回を投げて6安打1死球1失点と好投し、勝利に導いた。最速144キロ左腕の、この日の球場表示による最速は139キロだったが、切れ味鋭いスライダーなどを交えて6三振を奪った。ベンチ裏で熱視線を送ったNPB9球団のスカウトに、潜在能力の高さを示した。

「点数をつけるなら70点。指のかかり、ボールのキレはいつもほどではなかったですが、四球を出さなかったのはよかった」

1回から3回まで先頭打者に安打を浴びる苦しい立ち上がり。走らない直球を狙われていたことから、変化球主体に配球を変えた4回から徐々に本来の姿を取り戻した。2点リードの8回にタイムリーで1点を許したが、冷静に8回まで投げて9回は左翼の守備について勝利の輪に加わった。

174センチ、68キロのスリムな体形から、肘を柔らかく使って投げ込む。憧れの左腕投手はソフトバンク工藤公康監督(56)で、インターネットで映像を見てフォームを参考にしているという。

注目の左腕は「これからも一戦必勝で目の前の試合を勝っていきたい」と意気込んだ。